今回はこんな疑問にお答えしていきます。
エンジニアを目指す人が最初に抱える悩みの1つに「プログラミング言語選び」があります。
プログラミング言語の選択によって、制作物や難易度はもちろん、キャリアパスや年収は大きく変わってきます。そのため言語は慎重に選ぶ必要があります。
【先に結論】PythonとJavaの比較表
Python | Java | |
ロゴ画像 | ||
概要 | 「汎用」のプログラミング言語 | 「オブジェクト指向」を全面的に取り入れたプログラミング言語 |
作れるもの | AI(機械学習・深層学習) Webアプリケーション開発 Androidアプリ開発 デスクトップアプリ開発 組み込みアプリケーション開発 ゲーム開発 ブロックチェーン開発 Web上の情報の収集 データ処理・分析・解析 | 基幹システム開発 Webアプリケーション開発 Androidアプリ開発 デスクトップアプリ開発 組み込みアプリケーション開発 ゲーム開発 IoT開発 ソフトウェア開発 |
使用例 | Pepper・YouTube・Dropbox・Instagram・Blenderなど | Jira・Minecraft・Twitter・Evernote・楽天・OpenOffice・三菱東京UFJ銀行など |
設計思想 | 柔軟にオブジェクト指向を取り扱う | 完全なオブジェクト指向 |
汎用性 | 高い | 高い |
年収 | 非常に高い | 高い |
求人数 | 多い | 非常に多い |
難易度 | 易しい | 複雑 |
将来性 | 高い | 普通 |
おすすめの参考書 | Python[完全]入門 Python1年生 スッキリわかるPython入門 | スッキリわかるJava入門 第3版 プロになるJava Java本格入門 |
学習方法 | Pythonが学べるスクール | Javaを学べるスクールまとめ |
公式サイト | Pythonの公式サイト | Javaの公式サイト |
PythonやJavaをプロのエンジニアから教わりたい方にはプログラミングスクールがオススメです。詳しくは以下の記事をご覧ください。
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目次
Pythonとは
まずはPythonの特徴からご紹介します。
Pythonとは
Python(「パイソン」と発音します)は、「汎用」のプログラミング言語です。
「汎用」とは、「何か一つの目的のために設計された言語ではなく、その言語でなんでも開発できることを目的として設計された言語」という意味です。
筆者は現在、Pythonオンリーで生計を立てていますが、大昔C言語という言語でプログラミングしていた頃と比べると、開発効率が10倍くらいは違うと感じています。
今街の本屋のプログラミングのコーナーに陳列されている本で最も冊数が多いのがPythonです。
Pythonで作れるもの
Pythonは人によるクセが出にくいとされています。
チームで作るもの、
- 大規模なWebシステム
- 大規模なWebを使った業務システム
などはPythonで開発できます。
また汎用性の高いPythonは、他にも様々なものを開発できます。
Pythonで作れるもの
- AI(機械学習・深層学習[ディープラーニング])
- Webアプリケーション開発
- Androidアプリ開発
- デスクトップアプリ開発
- 組み込みアプリケーション開発
- ゲーム開発
- ブロックチェーン開発
- Web上の情報の収集(スクレイピング)
- データ処理・分析・解析
Pythonが使われている具体的なサービス
続いてはPythonが使われているサービスをいくつかご紹介します。
YouTube
YouTubeはPythonで作られています!
YouTubeの動画の本数は本当に膨大なことから、いったいどんなデータベースを使っているんだろうと気になりますね。
動画を検索するときもサクサク動くので、そこら辺りの処理も高度そうです。
インスタもPythonが使われています。
インスタのスマホアプリのサーバー側の処理はPythonで書かれています。
個人的にはインスタの一番の特徴はその搭載されているAIの優秀さだと思うのですが(おすすめの投稿のセレクションが秀逸)、AIに強いPythonを使っていると聞けば、納得できるのではないでしょうか?
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Javaとは
続いてはJavaの特徴をご紹介します。
Javaとは
Java(「ジャバ」と発音します)とは、90年代に登場した「オブジェクト指向」を全面的に取り入れたプログラミング言語です。
Javaの普及の歴史
それまでのプログラミング言語は、処理の進行の一切を詳細に記述する必要がありました。
開発作業は非常に煩雑で神経を使うものだったのです。
そこで、「詳細に記述しなくてもいいように、プラモデルを作るように部品を組み合わせて作ろう」と登場したのが「オブジェクト指向」です。
旧来からあるCを拡張したC++などが構想されました。
ですが、それらの言語は、どうしても昔ながらの書き方を引きずり、完全に新しいパラダイムの言語とは言えませんでした。
そこで、Cの書き方を真似ながらも、全く新しい言語として登場したのがJavaです。
またJavaは、同じプログラムで違うOSでも動くという、当時としては全く画期的な機能を備えていました。
それまでは、OSが違えば、プログラムを大幅に修正しなければなりませんでした。
このような背景があり、Javaは広く普及するに至ったのです。
Javaで作れるもの
Javaを使って作れるものはたくさんあります。
- 基幹システム開発
- Webアプリケーション開発
- Androidアプリ開発
- デスクトップアプリ開発
- 組み込みアプリケーション開発
- ゲーム開発
- IoT開発
- ソフトウェア開発
このせいか、2000年ごろまでに開発された基幹システムにはJavaが採用されていることも多く、それらは現在でも引き続きJavaで書かれていて、保守・更新を繰り返しています。
また「Androidアプリの開発言語」としても採用されています。(現在はKotlinというJavaの派生言語に切り替わりつつあります)
Javaの大きな特徴は、部品化を徹底して進めたことによる機能拡張の容易性です。
Javaが使われている具体的なサービス
続いてはJavaが使われているサービスをいくつかご紹介します。
Jira
https://www.ricksoft.jp/atlassian/jira/
Jiraは、企業向けのタスク管理ツールです。
アジャイルと呼ばれるプロジェクト進行と親和性が高いツールです。
内部には大規模で複雑なデータが格納されており、そのデータを柔軟に捌けるのはJavaならではです。
Minecraft
https://www.minecraft.net/ja-jp
「Minecraft」というゲームの名前を聞いたことはありませんか?
広大な世界を旅して、自分だけの土地で自由度の高いプレイができる、仮想世界の旅とも言えるゲームです。
このMinecraftの一部はJavaで作られています。
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PythonとJavaを徹底比較
続いてはPythonとJavaを様々な角度から徹底比較していきます。
Python | Java | |
設計思想 | 柔軟にオブジェクト指向を取り扱う | 完全なオブジェクト指向 |
汎用性 | 高い | 高い |
年収 | 非常に高い | 高い |
求人数 | 多い | 非常に多い |
難易度 | 易しい | 複雑 |
将来性 | 高い | 普通 |
それでは順番に詳しく解説していきます。
1. 設計思想で比較
まず「オブジェクト指向」について言及すると、Javaはガチガチのオブジェクト指向です。
それに対して、Pythonはオブジェクト指向以外の書き方もできる設計になっています。
Pythonも新しい言語ですからベースにあるのはオブジェクト指向ですが「より柔軟にオブジェクト指向を扱おう」という発想が採用されているのです。
オブジェクト指向は、ガチガチにやろうとするとやや書き方が煩雑になる欠点があります。
2. 汎用性で比較
PythonもJavaも汎用の言語ですから、基本的になんでも開発できます。
Python | Java | |
開発できるもの | AI(機械学習・深層学習[ディープラーニング]) Webアプリケーション開発 Androidアプリ開発 デスクトップアプリ開発 組み込みアプリケーション開発 ゲーム開発 ブロックチェーン開発 Web上の情報の収集(スクレイピング) データ処理・分析・解析 | 基幹システム開発 Webアプリケーション開発 Androidアプリ開発 デスクトップアプリ開発 組み込みアプリケーション開発 ゲーム開発 IoT開発 ソフトウェア開発 |
ご覧のようにPythonもJavaも幅広い分野を開発できることが分かります。
それぞれの特色としては、PythonではAI開発やデータ処理ができる点、Javaでは基幹システムやIoT開発ができる点が挙げられるでしょう。
3. 年収で比較
求人ボックス給料ナビで両言語の年収を比較してみましょう。
Python | AIエンジニア | 正社員:平均年収599万円 派遣社員:平均時給2,602円 |
データサイエンティスト | 正社員:平均年収695万円 派遣社員:平均時給2,606円 | |
Java | Javaエンジニア | 正社員:平均年収523万円 派遣社員:平均時給2,395円 |
インフラエンジニア | 正社員:平均年収542万円 派遣社員:平均時給2,399円 | |
Webエンジニア | 正社員:平均年収581万円 派遣社員:平均時給2,390円 |
表を見ても分かる通り年収はPythonの方が上回ります。
何と言ってもPythonはAIの開発言語なのです。
AIエンジニアはもちろん、データサイエンティストは年収がものすごく高くなる傾向があります。
これは言語の特性というよりも、企業の特性と言った方がいいでしょう。
4. 求人件数で比較
大手求人サイトの情報を元に求人数を比較してみましょう。(2022年4月時点)
Python | Java | |
indeedの求人数 | 53,826件[indeedより] | 116,477件[indeedより] |
求人ボックスの求人数 | 38,446件[求人ボックスより] | 82,790件[求人ボックスより] |
dodaの求人数 | 4,262件[dodaより] | 9,805件[dodaより] |
マイナビ転職の求人数 | 3,090件[マイナビ転職より] | 2,937件[マイナビ転職より] |
リクナビNEXTの求人数 | 1,484件[リクナビNEXTより] | 3,445件[リクナビNEXTより] |
Greenの求人数 | 4,312件[Greenより] | 8,770件[Greenより] |
ご覧のようにJavaの圧勝です。
というのもJavaは汎用性が高く、Web開発、Android開発、ゲーム開発、システム開発など様々な場面で使用されるプログラミング言語です。
求人数が桁違いで多いのも当然と言えます。
5. 難易度で比較
個人的な意見ですが、おそらく学習の難易度はPythonの方が低いだろうと思います。
Javaは、目的を達成するための手段が、ときどき理解するのに手間取るほど煩雑になります。
これは、他人の書いたプログラムを読む際もPythonの方が読み易い、ということを意味します。
学習過程においては、先達の書いたプログラムを大量に読まなければなりません。
6. 将来性で比較
こちらも、現在の状況に鑑みるとPythonの方に軍配が上がります。
Javaの優位性を存分に発揮できる分野は、正直言ってもうないような気がしています。
繰り返し書いている大企業の基幹システムでさえも、Pythonでリプレースする、という例が後を絶ちません。
ちなみに両者の「日本での検索回数の推移」を比較してみると以下のようになります。(Googleトレンドより)
ご覧のように2019年頃を境に、PythonがJavaの検索数をわずかに上回っていることが分かります。
Python・Javaがおすすめの人
それでは最後に、PythonとJavaがおすすめの人・向いている人の特徴を解説していきます。
Pythonがおすすめの人
まず「AIをやりたい人」はPython一択です。
Pythonがおすすめの人
- 新しい分野にチャレンジしたい人
- フリーランスとして仕事をしたい人
- ベンチャー企業で活躍したい人
それらの分野では、Pythonが採用されることが非常に多いからです。
Javaがおすすめの人
Javaがおすすめの人は「大企業で安定して働きたい人」です。
Javaで開発されたシステムはその多くが古いシステムで安定して稼働しているということもあり、Java開発者はそれほど忙しくないようです。
また、むやみに新しい技術にキャッチアップする必然性もあまりありません。
PythonとJavaを勉強する時のおすすめの参考書
ここまでの説明で多くの方は「PythonとJavaのどちらを勉強しようか」ある程度定まったことでしょう。
Pythonを勉強する時のおすすめの参考書
まずはPythonを勉強する時のおすすめの参考書をご紹介します。
プログラミング業界では情報の鮮度がかなり重要です。
2022年6月時点でのPythonの最新バージョンは3.10.5ですので、Python3対応の参考書を選ぶようにしましょう。
Pythonの本・参考書おすすめ18選をご紹介【初心者向けの入門書あり】
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Javaを勉強する時のおすすめの参考書
続いてはJavaを勉強する時のおすすめの参考書をご紹介します。
おすすめJavaのおすすめ参考書10選をレベル別でご紹介【選び方も解説】
Javaの本・参考書おすすめ10選をレベル別でご紹介【選び方も解説】
更新日:2024年7月27日
まとめ:PythonとJavaはどっちがおすすめ?【違いや将来性を比較】
今回はプログラミング言語の中でも人気のあるPythonとJavaの特徴や違い、向いている人の特徴について解説しました。
Python | Java | |
ロゴ画像 | ||
概要 | 「汎用」のプログラミング言語 | 「オブジェクト指向」を全面的に取り入れたプログラミング言語 |
作れるもの | AI(機械学習・深層学習) Webアプリケーション開発 Androidアプリ開発 デスクトップアプリ開発 組み込みアプリケーション開発 ゲーム開発 ブロックチェーン開発 Web上の情報の収集 データ処理・分析・解析 | 基幹システム開発 Webアプリケーション開発 Androidアプリ開発 デスクトップアプリ開発 組み込みアプリケーション開発 ゲーム開発 IoT開発 ソフトウェア開発 |
使用例 | Pepper・YouTube・Dropbox・Instagram・Blenderなど | Jira・Minecraft・Twitter・Evernote・楽天・OpenOffice・三菱東京UFJ銀行など |
設計思想 | 柔軟にオブジェクト指向を取り扱う | 完全なオブジェクト指向 |
汎用性 | 高い | 高い |
年収 | 非常に高い | 高い |
求人数 | 多い | 非常に多い |
難易度 | 易しい | 複雑 |
将来性 | 高い | 普通 |
おすすめの参考書 | Python[完全]入門 Python1年生 スッキリわかるPython入門 | スッキリわかるJava入門 第3版 プロになるJava Java本格入門 |
学習方法 | Pythonが学べるスクール | Javaを学べるスクールまとめ |
公式サイト | Pythonの公式サイト | Javaの公式サイト |
ご覧のようにどちらの言語も長所と短所があります。
またPythonやJavaを新しく勉強したい方には、プログラミングスクールでプロから教わるのがオススメです。
プログラミング言語選びで答えがまとまらない場合は、プログラミングスクールの無料相談などを利用して有識者に相談するのもオススメです。
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