SES SIer 自社開発

自社開発・受託開発・客先常駐の違いやメリット・デメリットを徹底比較

更新日 :

自社開発・受託開発・客先常駐の違いやメリット・デメリットを徹底比較
自社開発と受託開発(SIer)と客先常駐(SES)って何が違うのかな?それぞれのメリット・デメリットを知りたい!

今回はこんな悩みにお答えしていきます。

自社開発や受託開発(SIer)や客先常駐(SES)に就職してキャリアアップしようと考えている方も少なくないはず。

そこで今回は、自社開発と受託開発(SIer)と客先常駐(SES)の違いや仕事内容、求められるスキルやおすすめの人についてご紹介します。

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※当記事は社会人向けプログラミングスクールの受講経験、プログラミングスクールの講師経験、プログラミングの独学経験、Webエンジニア・アプリケーションエンジニア・フロントエンドエンジニアとしての勤務経験、ITエンジニアとしての就職活動経験がある現役エンジニアの私が、私の経験・体験を元に執筆・編集・監修をしております。私のエンジニア経歴や私のプログラマー略歴の詳細は記事下部の著者情報をご確認ください。 ※当記事へのご意見等はお問い合せフォームからお寄せください。

自社開発・受託開発・客先常駐の違い

エンジニアへの就職・転職を目指すときに耳にするのが、自社開発・受託開発・客先常駐という働き方です。

自社開発・受託開発・客先常駐について、言葉の意味からはなんとなく働き方が想像できるかもしれませんが、違いを正しく理解している方は少ないのではないでしょうか?

3者の比較表で確認してみましょう。

自社開発・受託開発・客先常駐の比較表

自社開発企業受託開発(SIer)客先常駐(SES)
概要社内でITツールやシステムの企画・設計・開発・販売まで行っている企業顧客からの要望にもとづきソフトやシステムを開発する会社取引先にエンジニアを派遣して常駐させる会社
仕事内容企画立案から要件定義、設計、開発、試験まで、サービス開発に関する全行程顧客の指定する納期に間に合うよう、自社のプログラマーに開発作業を分担ほかの会社に数ヶ月から数年ほど常駐してソフトやシステムを開発
求められる能力最新テクノロジーを扱えるスキル
常に勉強し続ける姿勢
どんな顧客ともやり取りする忍耐力
プレゼンテーション力やコミュニケーション能力
信頼関係を築けるコミュニケーション能力
社会人としてのマナー
働くメリット困ったことを相談しやすい
自分のアイデアを実現できる
落ち着いた環境で開発できる
社内教育・福利厚生が充実している
長期的に安心して働きやすい
さまざまな人と関わって成長できる
残業時間が少ない傾向
クライアントとの打ち合わせがスムーズ
顧客対応スキルを習得できる
働くデメリット人脈を形成しづらい
開発した製品が人の役に立つとは限らない
入社の難易度が高い
最新技術を学びづらい
取引先との打ち合わせが多い
取引先の担当者によっては開発が難航する
好きな仕事を継続できない
年齢があがると仕事が減っていくリスクがある
疎外感や不自由を感じやすい
向いている人の特徴流行に敏感で学習意欲も高い
マーケティング力や企画力が高い
幅広い業務に興味を持って対応できる
集中力や体力に自信がある
専門的な知識を活かしたい
コミュニケーションスキルが高い
エンジニアとして独立願望がある
さまざまな業界や専門分野に興味がある
人と仲良くなるのがうまい人

自社開発は、所属する企業だけでツールやシステムの開発を完結させる働き方です。

その点、受託開発も社内で開発をする点は同じですが、受託開発では顧客の指示に従いながら開発します。

また、顧客と一緒に開発を進める働き方は受託開発だけでなく、客先常駐(SES)という働き方もあります。

取引先と関わりながら開発を進めるのは受託開発と同じですが、客先常駐では社内ではなく社外に常駐して開発を進めます

自社開発企業とは

自社開発・受託開発・客先常駐の違いを大まかにお伝えしましたが、それぞれの働き方をさらに詳しく知りたい方も多いでしょう。

まずは、自社開発企業の意味や仕事内容、求められる能力について解説していきます。

自社開発企業の概要

自社開発企業とは、社内でITツールやシステムの企画・設計・開発・販売まで行っている企業です。

基本的にITツールやシステムを開発するときは業務を外部に委託しません。

委託先の都合や能力に左右されず、プロセスやコスト、利用ツール、品質、スケジュールを制御しつつ、開発を進められるのが特徴です。

社内のメンバーとだけ信頼関係を築けばよいので、接客スキルに自信がない方でも働きやすい可能性があります。

顧客に縛られず自由に開発をしたいのであれば、自社開発の働き方が適しています。

自社開発企業の仕事内容

自社開発では、取引先からの要望を受けてプロジェクトが立ち上がるのではなく、社内のメンバーが市場のニーズに応じて開発の企画を立案します。

競合よりも優位に事業を展開するために、企画からリリースまで素早く実行するのが一般的です。

リリース後はユーザーの反応に応じて、ツールやシステムを改良していきます。

このように成果物を納品して終わりというわけではないので、同じサービスやプロダクトに長期的に関わっていける可能性が高いです。

自社開発では企業外のユーザーが利用する製品を開発するパターンだけでなく、社内のIT部門で自社向けのツールやシステムを開発するパターンもあります。

自社開発企業で求められる能力

自社開発企業では市場のニーズをいち早く察知する必要があるため、最新テクノロジーを扱えるスキルが必要です。

たとえば最近では、AIやブロックチェーンなどの技術が注目されており、すでに多くの会社がビジネスに参入しています。また、デジタルデータのオリジナリティーを証明するNFTという技術も登場しており、急激に市場規模が拡大しています。

ただ、最新テクノロジーをビジネスに導入するには、難解な専門用語や英語を始めとした外国語を理解しなければなりません。

したがって、専門的な内容を自分でリサーチして理解できる学習能力が不可欠であり、常に勉強をし続ける姿勢が求められます。

プログラミング未経験から自社開発企業にエンジニア就職・転職したい方は「自社開発企業に就職/転職できるプログラミングスクール5選」をご覧ください。

受託開発企業(SIer)とは

次に、受託開発企業の意味や仕事内容、求められる能力について解説していきます。

受託開発企業(SIer)の概要

受託開発企業とは、顧客からの要望にもとづきソフトやシステムを開発する会社です。

顧客と打ち合わせを行い、納品物に必要な機能や解決すべき課題などを共有し、自社で開発を進めていきます。(開発作業を関連企業や外部企業に委託する場合もあります)

さまざまな業界の顧客と関わって仕事をしたいのであれば、受託開発はピッタリでしょう。

また開発中に新たな問題が生じた場合は、必要に応じて電話やメール、チャットなどで顧客に報告します。

顧客と連絡が取れなくて開発が進めづらいときもありますが、顧客の意向に沿えるよう綿密なコミュニケーションは欠かせません

自社開発企業と比べると、自由に開発が行えずにストレスを感じてしまうリスクがある点は、最低限把握しておく必要があります。

受託開発企業(SIer)の仕事内容

受託開発企業では、顧客の指定する納期に間に合うよう、自社のプログラマーに開発作業を分担します。

各開発者は自分の担当したプログラムに責任を持ち、取引先の担当者からの問い合わせに対応します。

最終的に各自が開発したプログラムをハードディスクなどにまとめて顧客に提出し、確認後に問題があれば再び修正する流れです。

また、一つの顧客に依存してしまわないよう、新たな顧客を探す営業活動も仕事の一つです。

人脈を活用して、自社のノウハウを活かせる営業先と接点を持ち、仕事を受注する場面も珍しくありません。

基本的に管理職クラスの社員が営業に出向きますが、通常の社員まで動向する場面もあります。

受託開発企業(SIer)で求められる能力

顧客の要望に従うことが基本ですが、傲慢な態度を取る担当者や指示が不明確な担当者などに遭遇することもあり、ストレスを感じる場面も少なくありません

ときには、不合理な要求に我慢して従わなければならないこともあります。

そのため、受託開発企業で働くエンジニアには、粘り強く顧客とやり取りしていける忍耐力が重要です。

営業の場面では、自社のノウハウをわかりやすく魅力的に伝えられなければ、新規案件を獲得できません。

したがって受託開発企業の開発者には、プログラミングスキルだけでなく、プレゼンテーション力やコミュニケーション能力も必要になってきます。

おすすめ自社開発とSIerならどっちがおすすめ?【転職時の注意点も解説】

客先常駐企業(SES)とは

続いて、客先常駐企業の意味や仕事内容、求められる能力について解説していきます。

客先常駐企業(SES)の概要

客先常駐企業とは、取引先にエンジニアを派遣して常駐させる会社です。

SES(システムエンジニアリングサービス)と呼ばれることもあります。

出向元の企業は出向先の企業と準委任契約を締結して、ソフトやシステムの開発を進める流れです。

エンジニアはあくまで出向元の企業に所属する形となりますが、顧客のすぐ側で仕事に取り組めます。

受託開発と違って、顧客への連絡・報告をスムーズに行えるため、目の前の開発作業に専念したい方にうってつけです。

ただ、常駐先にいる時間が長くなってしまうと、本社の人間との関係が薄くなってしまい、帰属意識が下がりやすい特徴もあります。

客先常駐企業(SES)の仕事内容

客先常駐企業では、ほかの会社に数ヶ月から数年ほど常駐してソフトやシステムを開発します。

設計書に従ったコーディングからバグチェックのテストなどまで、業務はさまざまです。

さらに客先常駐企業では、客先における開発業務だけでなく、自社内の仕事も行わなければなりません。

たとえば、勤怠情報の報告や社内定例会議への参加などがよい例でしょう。

ただ、最近では勤怠管理ツールやWeb会議ツールなども便利になってきているので、自社に出勤しなくて行える業務も増えてきています。

今後は客先常駐企業のエンジニアにとって、従来よりも勤務しやすい環境が整っていくことでしょう。

客先常駐企業(SES)で求められる能力

客先常駐企業では、自社とは社風の異なる環境で働く必要に迫られるため、客先の関係者にフォローをお願いしづらい場面もあるでしょう。

ただ、プロジェクトは一人で完遂することはできず、悩みを抱え込んでしまうと作業の遅延を招くなどして、トラブルに発展してしまうリスクも考えられます。

その点で客先常駐企業で働くエンジニアには、素早くチームに打ち解けて信頼関係を築けるコミュニケーション能力が求められます。

そのほか、本社の顔として働く立場であるため、客先に失礼な応対をしないよう、社会人としてのマナーを身に着けておくことも大前提です。

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更新日:2024年7月30日

自社開発企業のメリット・デメリット

自社開発企業・受託開発企業・客先常駐企業の概要を知り、それぞれの違いが明確になってきたのではないでしょうか。

ここからはさらに違いを深堀するために自社開発企業・受託開発企業・客先常駐企業のメリット・デメリットを解説していきます。

早速、自社開発企業のメリット・デメリットから確認していきましょう。

自社開発企業のメリット
自社開発企業のデメリット
  • 困ったことを相談しやすい
  • 自分のアイデアを実現できる
  • 落ち着いた環境で開発できる
  • 人脈を形成しづらい
  • 開発した製品が人の役に立つとは限らない
  • 入社の難易度が高い

それでは順番に解説していきます。

自社開発企業のメリット

まずは、自社開発企業のメリットから確認していきます。

自社開発企業のメリット

  • 困ったことを相談しやすい
  • 自分のアイデアを実現できる
  • 落ち着いた環境で開発できる

それぞれ詳しくご説明します。

メリット1:困ったことを相談しやすい

自社開発企業では、これまで苦楽を共にしてきた社内のメンバーと一緒に開発を行えるので、仕事で困ったことがあっても相談しやすくなっています

コミュニケーションを取るのが苦手な方であっても、長期間にわたって築いた信頼関係をベースにやり取りできるため、一人で悩みを抱え込むリスクは少ないでしょう。

安心して開発に専念できる点は、自社開発ならではのメリットだといっても、過言ではありません。

メリット2:自分のアイデアを実現できる

自社開発企業では、社内のメンバーがアイデアを出して、ツールやシステムなどを開発していきます。

そのため、魅力的なアイデアを提案して採用されれば、自分のアイデアが目に見える形で実現されていきます

もし、社会を変革するような製品を生み出せた場合、大きな充実感や達成感を得られるでしょう。

メリット3:落ち着いた環境で開発できる

自社開発企業では、顧客のスケジュールに縛られない環境で開発が行えるので、スケジュールを調整しやすい傾向があります。

納期に対して極端なプレッシャーを感じずに、落ち着いた環境で開発を進めやすいです。

自社開発企業のデメリット

次に、自社開発企業のデメリットもチェックしてみましょう。

自社開発企業のデメリット

  • 人脈を形成しづらい
  • 開発した製品が人の役に立つとは限らない
  • 入社の難易度が高い

それぞれ詳しくご説明します。

デメリット1:人脈を形成しづらい

自社開発企業では、社内だけで業務が完結してしまい、社外の人脈を形成しづらい傾向があります。

したがって、社外のエンジニアと交流する機会が得られないと、自社にはないノウハウやアイデアを獲得しづらくなります。

最近ではこうした弊害を防ぐため、社員に副業を推奨する企業も現れ始めています。副業を通じて社外の技術やノウハウを学び、自社に取り入れることを目的としているわけです。

デメリット2:開発した製品が人の役に立つとは限らない

自社開発企業では、顧客からの要望にもとづいて開発を進めないので、開発した製品が必ず誰かの役に立つとは限りません

売上が伸びなければ、サービスを閉鎖してしまうことも珍しくありません。

自社の利益ではなく、社会貢献を重視する方であれば、違和感を感じてしまう職場もあり得るでしょう。

デメリット3:入社の難易度が高い

自社開発企業は、顧客からの制約を受けずに自由に働けることから、人気が高い環境として注目を集めています

その分、求職者の間で競争が激しくなりやすいので、求められるスキルや能力の基準も高水準となり、入社の難易度が高い傾向です。

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更新日:2024年9月9日

受託開発企業(SIer)のメリット・デメリット

引き続き、受託開発企業(SIer)のメリット・デメリットについて解説していきます。

受託開発企業(SIer)のメリット
受託開発企業(SIer)のデメリット
  • 社内教育が充実している
  • 長期的に安心して働きやすい
  • さまざまな人と関わって成長できる
  • 最新技術を学びづらい
  • 取引先との打ち合わせが多い
  • 取引先の担当者によっては開発が難航する

それでは順番に解説していきます。

受託開発企業(SIer)のメリット

まずは、受託開発企業のメリットを確認していきましょう。

受託開発企業(SIer)のメリット

  • 社内教育が充実している
  • 長期的に安心して働きやすい
  • さまざまな人と関わって成長できる

それぞれ詳しくご説明します。

メリット1:社内教育が充実している

受託開発企業は、顧客の要望を効率的に実現することで収益を高められるため、社内教育制度が充実している傾向があります。

たとえば、社内でプログラミングの勉強会を行い、新人に業務に役立つツールを作らせる取り組みなどをする事例もあります。

未経験からでも転職しやすい可能性があり、異業種からIT業界を目指したい方にも適していると言えるでしょう。

メリット2:長期的に安心して働きやすい

受託開発企業では取引先が絶えない限り、50代・60代になっても同じ会社で働ける可能性があります。

長期間にわたって同じ職場で経験を積んでいけば、プロジェクトマネージャーやプロダクトマネージャーの立場を目指すことも可能であり、キャリアアップの道筋を描きやすいです。

メリット3:さまざまな人と関わって成長できる

受託開発企業では、取引先と仕事を進めていく中で、社内以外の担当者と深く関わっていきます。

じっくりと打ち合わせをする場面も多く、社内では得られない開発ノウハウや、専門的な知識を吸収できる可能性が高いです。

プロジェクトごとに新たな人脈を築く中で、開発スキルや営業力などが磨かれて、自分の成長につながっていきます。

受託開発企業(SIer)のデメリット

次に、受託開発企業のデメリットについても見てみましょう。

受託開発企業(SIer)のデメリット

  • 最新技術を学びづらい
  • 取引先との打ち合わせが多い
  • 取引先の担当者によっては開発が難航する

それぞれ詳しくご説明します。

デメリット1:最新技術を学びづらい

受託開発企業は、社内で蓄積してきたノウハウや強みを活かして仕事を受注するため、AIやIoTなどの最新技術を活用せず、業務を完結する傾向があります。

中には、古くなってほとんど使われないプログラミング言語を主流にする企業も存在しています。

その場合、人気のプログラミングスキルを習得できず、もし転職したくなったとき応募できる企業が狭まってしまうリスクも高いです。

デメリット2:取引先との打ち合わせが多い

受託開発企業では、取引先との打ち合わせが多く、開発以外に時間を取られてしまう傾向があります。

取引先に打ち合わせに出向く日は、打ち合わせの準備もしなくてはならず、開発に集中しづらい場面も珍しくありません。

デメリット3:取引先の担当者によっては開発が難航する

取引先の担当者は基本的に受託開発企業では選べません

関係者の態度が悪かったり、能力が低かったりすると、社内のスタッフが苦労するだけでなく、開発に対するモチベーションが下がってしまうこともあります。

関係性に亀裂が入ってしまうと修復までに時間がかかり、開発が難航してしまうケースも珍しくありません。

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客先常駐企業(SES)のメリット・デメリット

ここからは、客先常駐企業(SES)のメリット・デメリットについて解説していきます。

客先常駐企業(SES)のメリット
客先常駐企業(SES)のデメリット
  • 残業時間が少ない傾向
  • クライアントとの打ち合わせがスムーズ
  • 顧客対応スキルを習得できる
  • 好きな仕事を継続できない
  • 年齢があがると仕事が減っていくリスクがある
  • 疎外感や不自由を感じやすい

それでは順番に解説していきます。

客先常駐企業(SES)のメリット

まずは、客先常駐企業のメリットを順番に見ていきましょう。

客先常駐企業(SES)のメリット

  • 残業時間が少ない傾向
  • クライアントとの打ち合わせがスムーズ
  • 顧客対応スキルを習得できる

それぞれ詳しくご説明します。

メリット1:残業時間が少ない傾向

客先常駐企業は、エンジニアの稼働時間に応じて客先の企業から報酬を支払ってもらいます。

当然、客先の企業は人件費を抑えられるよう、なるべく残業時間を減らそうとするため、エンジニアの残業が少なくなる傾向があります。

ただし、客先といえども残業が必ず発生しないわけではない点に注意が必要です。

常駐する企業によっては「残業時間を過少申告される」「家で残業させられる」「みなし残業にまとめられる」といった手段で、実質的な残業代を減らされることがあります。こうした悪質な企業に常駐するリスクを避けられないのは客先常駐(SES)のデメリットと言えるでしょう。

メリット2:クライアントとの打ち合わせがスムーズ

客先常駐企業のエンジニアとして働く場合、クライアントとの距離が近いので、メールや電話、訪問などによる打ち合わせが不要になります。

開発に集中しやすくなるのはもちろん、直接対面して疑問点を解消できることから、伝達のミスや解釈の違いなどで業務が滞るリスクも低いです。

メリット3:顧客対応スキルを習得できる

客先常駐企業では顧客のオフィスで働くことになります。

顧客と触れ合う時間が格段に長いので、顧客対応スキルが身につきやすい傾向です。

顧客対応スキルを磨いておけば、コーディングしかできないエンジニアと差別化でき、市場価値が高まる可能性もあります。

仮に転職を検討する場合、転職活動を優位に進めやすくなるでしょう。

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客先常駐企業(SES)のデメリット

次に、客先常駐企業のデメリットをチェックしていきましょう。

客先常駐企業(SES)のデメリット

  • 好きな仕事を継続できない
  • 年齢があがると仕事が減っていくリスクがある
  • 疎外感や不自由を感じやすい

それぞれ詳しくご説明します。

デメリット1:好きな仕事を継続できない

客先常駐企業では、契約期間の関係から常駐先が変更されることがあります。

もし常駐先で魅力的な仕事に出会えたとしても、その後のプロジェクトに関わることができなくなります。

生涯にわたって好きな仕事を続けられない点は、見過ごせないデメリットです。

デメリット2:年齢があがると仕事が減っていくリスクがある

エンジニアは、一般的に年齢が増えるにつれてスキルや実績が高まり、人件費が高くなっていきます。

その点をふまえると客先としては、20代〜30代前半のエンジニアに常駐してもらうほうが、コストを安くできる可能性が高いです。

したがって客先常駐企業のエンジニアは、年齢が増えると仕事が減っていくリスクがあります。

デメリット3:疎外感や不自由を感じやすい

チームの一員として同じ目標を持って仕事をしている場合でも、客先の社員から敬語を使われ続けたり、社内行事に呼んでもらえなかったりすることもあるようです。

また、休憩が取りづらかったり自由にタバコが吸いづらかったりするなど、不自由な思いをする場面も珍しくはありません。

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自社開発・受託開発・客先常駐が向いている人の特徴

自社開発・受託開発・客先常駐の働き方のメリットやデメリットをお伝えしましたが、気になる働き方は見つかったでしょうか?

ここからはさらに自分に適した働き方がわかるように、自社開発・受託開発・客先常駐が向いている人の特徴を解説していきます。

自社開発企業が向いている人の特徴

まずは、自社開発企業が向いている人の特徴について解説していきます。

自社開発企業が向いている人の特徴

  • 流行に敏感で学習意欲も高い
  • マーケティング力や企画力が高い
  • 幅広い業務に興味を持って対応できる

それでは順番に解説していきます。

特徴1:流行に敏感で学習意欲も高い

自社開発企業では、目まぐるしく最新テクノロジーが変化するIT業界の中で、最先端となる商品やサービスを提供する傾向があります。

したがって、常に新しい技術を学べる学習力やトレンドを察知できるキャッチアップ力などが求められます。

学習意欲の高い方や、流行に敏感な方などが向いているでしょう。

特徴2:マーケティング力や企画力が高い

自社開発企業では、世の中のニーズをふまえて、新たなソフトやシステムを生み出す必要があります。

売れないソフトやシステムを作ってしまえば自己満足で終わってしまいます。

したがって、収益をあげるためのマーケティング力や企画力の高い人材が重要です。

特徴3:幅広い業務に興味を持って対応できる

自社開発企業では、企画立案から要件定義、設計、開発、試験まで、開発に関する全行程を経験することになります。

プログラミング以外の業務にも対応しなければならず、苦手な業務があると苦労する可能性が高いです。

したがって幅広い業務に興味を持って、柔軟に対応できる人に向いているといえるでしょう。

受託開発企業(SIer)が向いている人の特徴

次に、受託開発企業が向いている人の特徴について解説していきます。

受託開発企業が向いている人の特徴

  • 集中力や体力に自信がある
  • 専門的な知識を活かしたい
  • コミュニケーションスキルが高い

それでは順番に解説していきます。

特徴1:集中力や体力に自信がある

受託開発企業では、社内だけで開発スケジュールを組むことができず、顧客に指定された納期に間に合うように開発を進めなければなりません

開発途中で完成物に関して機能の追加・変更などの要望が入る可能性もゼロではなく、納期に間に合うように残業や休日出勤を強いられる場面もあります。

長時間の作業に耐えられる素質が求められるため、集中力や体力に自信がある方に適しているといえるでしょう。

特徴2:専門的な知識を活かしたい

受託開発企業では、競合が少ないニッチな分野の製品を開発している場合があります。そのような企業では、通常のプログラマーでは持ちえない専門知識が役立ちます

自分の専門知識がピンポイントで活かせる企業であれば、やりがいを持って開発を楽しめるでしょう。

特徴3:コミュニケーションスキルが高い

受託開発企業では、取引先のニーズをくみ取りつつ、的確な改善案を提案しなければなりません

開発スキルがあるのは大前提として、顧客と滞りなく業務を進めていけるコミュニケーションスキルを持っていないと、仕事で苦労してしまう可能性が高いです。

客先常駐企業(SES)が向いている人の特徴

引き続き、客先常駐企業が向いている人の特徴について解説していきます。

客先常駐企業が向いている人の特徴

  • エンジニアとして独立願望がある
  • さまざまな業界や専門分野に興味がある
  • 人と仲良くなるのがうまい人

それでは順番に解説していきます。

特徴1:エンジニアとして独立願望がある

フリーのエンジニアとして開業を目指している場合、人脈を拡大しておけば仕事のチャンスも増えます

そのため独立を目指している方にとって、さまざまな企業・エンジニアと接点を持てる客先常駐企業は、まさに好都合だといえるでしょう。

特徴2:さまざまな業界や専門分野に興味がある

同じ仕事をずっと続けていると、業務の内容に飽きてしまう方もいますよね。

その点、客先常駐企業で働く場合は現場ごとに異なるプロジェクトに参加できるので、いろいろな分野の仕事に取り組みやすいです。

仕事のジャンルを一つに絞らず、さまざまな業界や専門分野に関わりたい方にピッタリでしょう。

特徴3:人と仲良くなるのがうまい人

客先常駐企業では、社内よりも気軽に悩みを相談できる環境ではないので、信頼関係を構築するのが苦手だと、業務を円滑に進めづらい恐れがあります。

人と仲良くなるのがうまく、気軽に聞きたいことを聞ける人に適しています。

自社開発・受託開発・客先常駐から選ぶ際のポイント

自社開発・受託開発・客先常駐のメリット・デメリットや、向いている人の特徴などをお伝えしましたが、同じIT業界の企業でも働き方や開発環境が異なることがおわかりいただけたでしょう。

自分に適した働き方を実現するためにも慎重に選び分ける必要がありますが、まだどの種類を選ぶべきか迷ってしまいますよね。

ここでは自社開発・受託開発・客先常駐から選ぶ際のポイントを2つご紹介します。

自社開発・受託開発・客先常駐から選ぶ際のポイント

  • 提示されている求人内容を見比べる
  • 就職/転職エージェントを利用する

それでは順番に解説していきます。

ポイント① 提示されている求人内容を見比べる

自社開発・受託開発・客先常駐の中から具体的に選ぶときには、実際に提示されている求人の内容を見比べてみることも重要です。

求人からは、プロジェクトや業務の内容、取引先、想定キャリア、必要なスキルなどに関する情報を確認できます。

眺めているうちに自社開発・受託開発・客先常駐の違いが明確になり、自分に適した働き方がさらにわかってくるでしょう。

インターネットで「自社開発 求人」「受託開発 求人」などで検索すると、気になっている種類の求人を絞りこんで見つけやすくなります。

具体的な求人を比較するときにぜひ試してみてください。

ポイント② 就職/転職エージェントを利用する

2つ目は就職/転職エージェントを利用する方法です。

就職/転職エージェントを利用すると、専属のアドバイザーが就職活動を手取り足取りサポートしてくれます。

ここでは代表的な転職エージェントを3つご紹介していきます。

転職エージェント1:レバテックキャリア

レバテックキャリア

画像引用元:レバテックキャリア

レバテックキャリアは、「今より高く」をテーマとして掲げているIT転職エージェントです。

アドバイザーが年に3,000回以上の企業訪問を行っており、現場のリアルな情報を共有。

5,000件以上の求人から自分に適した仕事を見つけられます。

>> レバテックキャリアの公式サイトを確認する

転職エージェント2:Geekly

Geekly

画像引用元:Geekly

Geeklyは、IT・Web・ゲーム業界への転職に強いエージェントです。

年収アップ率81%と高い水準にあることから、理想的なキャリアアップのきっかけとして転職を選択したいときにもおすすめです。

また、IT企業の口コミサイト「Geekly Review」も運営しているため、余裕があればチェックしてみましょう。

各企業で実際に働いた経験のある社員の口コミが多数掲載されており、入社後でないと分からないことも事前に情報収集できるでしょう。

>> Geeklyの公式サイトを確認する

転職エージェント3:社内SE転職ナビ

社内SE転職ナビ

画像引用元:社内SE転職ナビ

社内SE転職ナビは、社内SEへの転職に特化したIT転職エージェントです。

カジュアル面談では、現在の仕事の悩みやキャリアの棚卸などの相談を行えるのはもちろん、社内SEについても質問できます。

社内SEの業務や実態に関するリアルな情報を得られるサービスなので、社内SEへの転職を目指すときに活用してみるとよいでしょう。

>> 社内SE転職ナビの公式サイトを確認する

どれも今後のキャリアップには欠かせないサービスです。

またサイトによって対応している求人と対応していない求人がバラバラです。

より多くの求人を網羅するためにも、複数のサイトに登録しておくことをオススメします

おすすめIT業界・エンジニアに強いおすすめ転職エージェント15選を解説

IT業界・エンジニアに強い転職エージェントおすすめ15選を解説
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更新日:2024年7月30日

まとめ:自社開発・受託開発・客先常駐の違いやメリット・デメリットを徹底比較

今回は、自社開発と受託開発(SIer)と客先常駐(SES)の違いや仕事内容、求められるスキルやおすすめの人についてご紹介しました。

改めて自社開発と受託開発(SIer)と客先常駐(SES)の比較表を確認しておきましょう。
自社開発企業受託開発企業(SIer)客先常駐企業(SES)
概要社内でITツールやシステムの企画・設計・開発・販売まで行っている企業顧客からの要望にもとづきソフトやシステムを開発する会社取引先にエンジニアを派遣して常駐させる会社
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年齢があがると仕事が減っていくリスクがある
疎外感や不自由を感じやすい
向いている人の特徴流行に敏感で学習意欲も高い
マーケティング力や企画力が高い
幅広い業務に興味を持って対応できる
集中力や体力に自信がある
専門的な知識を活かしたい
コミュニケーションスキルが高い
エンジニアとして独立願望がある
さまざまな業界や専門分野に興味がある
人と仲良くなるのがうまい人

どの企業もメリットとデメリットがあるため、一概にこれが良いと言い切ることはできません。

あなたの価値観や目標、夢と照らし合わせながら、最適な企業を選択することをオススメします。

また自社開発・受託開発・客先常駐から選びきれない場合は、以下のポイントを意識してみましょう。

自社開発・受託開発・客先常駐から選ぶ際のポイント

  • 提示されている求人内容を見比べる
  • 就職/転職エージェントを利用する

今回は自社開発と受託開発と客先常駐について紹介しましたが、IT業界には他にもいくつか働き方の種類があります。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

  • この記事の著者/監修者
CloudInt編集部

CloudInt編集部

本サイトの運営者・管理人。慶應義塾大学環境情報学部卒。人材系のWeb系メガベンチャー企業に新卒入社。兼業でフリーランスとしてiOSアプリ開発、Web開発、Webメディア運営、SEOコンサルティング等を行う。IT人材系のベンチャー企業でiOSエンジニア、Web系メガベンチャー企業でWebアプリケーションエンジニア、士業のスタートアップ企業でフロントエンドエンジニア、Web系メガベンチャー企業でプロダクトマネージャー兼SEOディレクター、ゲーム系のスタートアップ企業で最高技術責任者(CTO)、学生向けプログラミングスクールで講師の勤務経験あり(インターンを含む)。好きなプログラミング言語はSwiftとPythonとPHPとRubyとJavaScript。侍エンジニア塾元受講生。エンジニアやプログラミングスクール等での私の体験・経験に基づき記事を執筆・編集・監修。

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