今回はこんな悩みにお答えしていきます。
Web系からのSIerへの転職でキャリアアップしようと考えている方も少なくないはず。
そこで今回はWeb系からSIerへ転職するメリットやそれぞれの違い、向いている人・向かない人の特徴などについて解説します。
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目次
Web系からSIerへの転職はできる?
Web系自社開発企業からSIer(受託開発)への転職は可能です。
次々と新しいサービスが登場する中でWeb系企業は生き残り競争となっているため、SIerのように自社サービスを持たず、システム開発を請け負う企業へ転職を考えるエンジニアはたくさんいます。
また、SIerはWeb系と比べて年収も高く、大規模な開発プロジェクトに携わることもできるため、エンジニアとしてのスキルアップも目指しやすいです。
教育体制や福利厚生が整っている企業も多いので、これからプログラミングスキルを磨きたい人にもおすすめできます。
ただし、SIerは人気の業種の一つであるため、転職にあたってライバルが多く存在します。
そのため、SIerへの転職は、IT業界に特化した転職エージェントの活用が必須といえるでしょう。
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Web系からSIerへ転職するメリット
Web系からSIerへ転職するメリットは次の5つです。
Web系からSIerへ転職するメリット
- 年収が上がりやすい
- プログラミングスキルが不要
- 企業経営が安定している
- 大規模なプロジェクトに携われる
- 教育体制や福利厚生がしっかりしている
それぞれ詳しく解説します。
メリット1. 年収が上がりやすい
SIerはWeb系と比べて年収が高いのが特徴です。
以下にSIerとWeb系企業の年収上位10社をランキング形式で紹介しますが、SIer上位10社の平均年収は約1,033万円であるのに対し、Web系は約936万円です。
同じエンジニアでも100万円近く年収に差があります。
SIerの年収ランキング上位10社は次の通りです。(各社有価証券報告書を基に作成)
会社名 | 平均年収(円) |
野村総合研究所 | 12,421,000 |
電通国際情報サービス | 11,282,000 |
SRAホールディングス | 11,255,000 |
日本オラクル | 11,217,790 |
伊藤忠テクノソリューションズ | 10,287,919 |
三菱総合研究所 | 10,248,577 |
オービック | 10,056,000 |
日立製作所 | 9,159,908 |
日鉄ソリューションズ | 8,699,000 |
都築電気 | 8,659,000 |
多くの企業で1,000万円を超える年収になっていて、高水準であることが分かります。
次に、Web系の年収ランキング上位10社は次の通りです。(各社有価証券報告書を基に作成)
会社名 | 平均年収(円) |
ソフトバンクグループ | 13,398,031 |
リクルートホールディングス | 9,976,816 |
メルカリ | 9,683,000 |
エムスリー | 9,485,000 |
Zホールディングス | 9,129,538 |
フリークアウト | 8,941,000 |
ディー・エヌ・エー | 8,568,000 |
クックパッド | 8,236,000 |
サイバーエージェント | 8,170,000 |
楽天 | 7,970,761 |
こちらも一般企業の年収と比較すると高水準ではありますが、SIerの年収と比較すると少し低いです。
このことから、Web系で働くエンジニアは、SIerへ転職することで、年収アップを狙える可能性が十分あるとわかります。
メリット2. プログラミングスキルが不要
会社にもよりますが、SIerはプログラミングが苦手でも入社可能です。
SIerでは、下請け企業に開発を依頼することも多いため、自分でプログラムを書くことがほとんどない場合も。
SIerで重視される能力は主に、システム開発の上流工程とされるシステム設計やスケジュール・納期管理、下請け先との調整・コミュニケーション能力で、これらの能力がプログラミングスキル以上に重視されます。
おすすめWeb系でついていけない?【対処法やおすすめの転職先も解説】
メリット3. 企業経営が安定している
SIerはWeb系企業と異なり経営が安定していることが多いです。
そのため、将来的な不安も抱きにくいメリットがあります。
理由は、Web系企業は自社のWebサービスで収益を上げているため、次々と新しいサービスが登場する今の時代においては、先行きが不透明な一方、SIerは自社サービスを持たず、システム開発を受託しているため、システム開発のニーズがある限り安定した収益を上げ続けられるためです。
また、経済産業省が発表した「2025年の崖」問題を筆頭に、システム開発のニーズは今後も後を絶ちません。
さらに、官公庁や金融機関などの大規模なシステム改修には大手SIerの開発力が必要であることからもSIerは安定して収益を伸ばしていくことが予想されます。
メリット4. 大規模なプロジェクトに携われる
SIerは受託開発専門のため、官公庁や金融機関のシステム開発といった大規模なプロジェクトを受注することが多く、SIerで働くエンジニアは大型案件にアサインしてスキルを高めていくことが可能です。
大規模なプロジェクトに携わることで、エンジニアとしてのスキルはもちろん、多くのエンジニアと共同で作業をするため、調整能力やコミュニケーション能力なども磨かれ、今後のキャリアアップに必要なスキルも身につきます。
大規模プロジェクトは大手SIerに勤めることで、携われる確率がさらに高まります。
おすすめSIerは楽しいって本当?【経験者の体験談や口コミも解説】
メリット5. 教育体制や福利厚生がしっかりしている
SIerはWeb系と比較して教育体制や福利厚生が充実していることもメリットの一つです。
Web系企業は自社サービスの隆盛によって移り変わりが激しいこともあって、ベンチャー企業が多いですが、SIerは歴史の長い会社が多く、その分教育体制や福利厚生も整っています。
反対に企業文化がまだまだ古い部分もありますが、Web系のように入社後に求められる技術レベルが高すぎてついていけない、ということは少ないです。
Web系とSIerの違いを比較
本章ではWeb系企業とSIerの違いを6つ紹介します。
両者の特徴を理解した上で、どちらが自分に合っているか検討してみてください。
Web系企業とSIerの違いは次の通りです。
Web系とSIerの違いを比較
- 開発手法
- 仕事で求められるスキル
- 平均年収
- 働きやすさ
- 残業・時間外労働の量
- 安定度・将来性
それぞれ詳しく解説します。
おすすめWeb系とSIerはどっちがおすすめ?【違いやメリットを解説】
1. 開発手法
Web系企業とSIerとの違いに開発手法があります。
Web系企業では、自社サービスを開発するため、小さくリリースして必要な修正や追加機能を次々と実装していくアジャイル開発と呼ばれる開発手法でプロジェクトを進めます。
短いサイクルで一つずつタスクをこなして自社サービスの機能を拡充することで、サービスの質を向上させる開発手法です。
一方SIerでは、クライアントからシステム開発を依頼されてプロジェクトが始動するため、クライアントが求める納期に向けて開発作業が進みます。
そのため、システム設計・要件定義から納品までの流れを順序だてて進めていく必要があります。
このシステム開発におけるプロセスを上流から順に進める開発手法をウォーターフォール開発といい、SIerで主に用いられるのがウォーターフォール開発です。
2. 仕事で求められるスキル
Web系とSIerでは仕事で求められるスキルも異なります。
Web系ではプログラミングスキルだけでなく、自社サービスやWebサイトの開発に必要なデザインやライティング、マーケティングに関する知識も幅広く求められます。
反対にSIerでは、プログラミングなどの開発スキル以上に、ウォーターフォール開発における納期・スケジュール管理能力や下請け企業との調整・コミュニケーション能力が重要視されます。
職種は同じエンジニアであっても、両者は求められるスキルが大きく異なります。
3. 平均年収
Web系とSIerでは、SIerの方が平均年収は高いです。
前述したように、SIer上位10社の平均年収は約1,033万円であるのに対し、Web系は約936万円と、両者の平均年収には約100万円の差があります。
国税庁が公表している「令和3年民間給与実態調査」によると、日本の平均年収は約443万円なので、Web系とSIerのどちらで働くことになっても平均よりとても高い年収を得ることは可能です。
また、厚生労働省が公表している「令和3年賃金構造基本統計調査」ではプログラマーなどの「ソフトウェア作成者」の平均年収は約455万円、システムエンジニアなどの「システムコンサルタント・設計者」の平均年収は約733万円とされており、エンジニアの中でもWeb系とSIerでは高年収であることがわかります。
4. 働きやすさ
Web系とSIerで働きやすさを比較すると、SIerに軍配が上がります。
SIerは企業としての歴史が長く教育体制や福利厚生が整っていることから、従業員の定着度も高いです。
先ほど紹介したWeb系とSIerの年収上位10社における平均勤続年数と平均年齢は、Web系では平均勤続年数は5.69年、平均年齢は37.02歳であるのに対してSIerでは平均勤続年数13.26年、平均年齢は42.60歳でした。
以下に10社それぞれの平均勤続年数と平均年齢をまとめたので併せて参考にしてください。
SIerの平均勤続年数と平均年齢
会社名 | 平均勤続年数(年) | 平均年齢(歳) |
野村総合研究所 | 14.6 | 40.6 |
電通国際情報サービス | 12.0 | 40.9 |
SRAホールディングス | 5.6 | 55.6 |
日本オラクル | 8.6 | 43.4 |
伊藤忠テクノソリューションズ | 13.4 | 40.7 |
三菱総合研究所 | 14.1 | 42.3 |
オービック | 13.2 | 36.1 |
日立製作所 | 19.3 | 42.9 |
日鉄ソリューションズ | 12.8 | 40.0 |
都築電気 | 19.0 | 43.5 |
Web系の平均勤続年数と平均年齢
会社名 | 平均勤続年数(年) | 平均年齢(歳) |
ソフトバンクグループ | 9.5 | 40.5 |
リクルートホールディングス | 8.3 | 38.9 |
メルカリ | 2.9 | 34.6 |
エムスリー | 3.9 | 34.7 |
Zホールディングス | 10.1 | 43.5 |
フリークアウト | 2.0 | 36.9 |
ディー・エヌ・エー | 5.6 | 37.4 |
クックパッド | 3.8 | 35.1 |
サイバーエージェント | 6.1 | 34.2 |
楽天 | 4.7 | 34.4 |
5. 残業・時間外労働の量
残業・時間外労働の量については、Web系の方が少ない傾向にあります。
Web系では自社サービスを開発していることやアジャイル開発を採用していることから、無理のない業務スケジュールで、残業時間が発生しにくい仕組みになっています。
一方、SIerでは、クライアントから依頼されたスケジュールで開発を進める必要があるため、納期に間に合わせるための残業・時間外労働が発生しやすいのがデメリットです。
ワークライフバランスを重視する方にとって、SIerは肌に合わない可能性があります。
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6. 安定度・将来性
経営の安定性や将来性はSIerの方がWeb系よりも明るい見通しです。
SIerはシステムの受託開発によって収益を得ているため、システム開発の需要がなくならない限りは存続し続けます。
昨今のDX化や働き手不足によるAIの台頭など、システム開発のニーズは至るところに存在し、これからも高まり続けるでしょう。
一方でWeb系企業は自社のWebサービスによって収益を得ているため、自社サービスの利用者がいなくなると存続することはできません。
次々と新しいサービスをリリースし、それらが世の中のニーズを満たし続けることができれば、長く成長できますが、そのような企業はほんの一握りです。
前項で紹介したように、Web系企業はSIerよりも平均勤続年数や平均年齢が若い傾向にあるのも移り変わりが激しいことを象徴しています。
Web系からSIerへの転職が向いている人・向かない人の特徴
本章ではWeb系からSIerへの転職が向いている人と向いていない人の特徴をそれぞれ紹介します。
ここで紹介する特徴を理解することで、「Web系はやめとけ」と言われる人、反対にSIerに向いていない人がどのようなスキル・能力を持つ人かがわかるため、自分はどちら向きか判断することができます。
Web系からSIerへの転職が向いている人の特徴
SIerへの転職が向いている人の特徴は大きく次の3点です。
Web系からSIerへの転職が向いている人の特徴
- 大規模な開発プロジェクトに携わりたい
- 教育体制が整っているところでスキルを身に着けたい
- 長期的に働ける職場に勤めたい
SIerでは官公庁や金融機関などの大規模なシステム開発プロジェクトに携わる機会も多く、バリバリシステム開発に関わりたい人にとっては刺激的な職場になるでしょう。
また、歴史の長い企業も多いため、研修制度が充実しておりプログラミング初心者からでも働くことができます。
これらの内容に該当する人はSIerへの転職をおすすめします。
Web系からSIerへの転職が向かない人の特徴
反対にWeb系からSIerへの転職が向かない人の特徴は大きく次の3点です。
Web系からSIerへの転職が向かない人の特徴
- 自社サービスへの愛がある
- プログラミング以外も積極的に学習できる
- 古い企業体質の中で働きたくない
Web系は自社サービスを開発し、随時アップデートを繰り返してブラッシュアップを行います。
1つのシステムに長期的に携わり改善を繰り返すことになるため、自社サービスに愛を持ってアサインできることが大切です。
また、プログラミング以外にもWebデザインやライティング、マーケティングなどの知識・スキルを求められる場合もあるため、これらを積極的に学習する意欲がなければ働き続けることがはできません。
おすすめSIerはやばいと言われる理由【やばいSIerの見分け方や体験談を解説】
Web系からSIerへ転職したい人におすすめの転職エージェント
最後に、Web系からSIerへ転職したい人へおすすめの転職エージェントを紹介します。
いずれもIT業界に強い転職エージェントのため、これから転職を考えている方は相談を検討してみてください。
おすすめの転職エージェントは次の5つです。
Web系からSIerへ転職したい人におすすめの転職エージェント①マイナビIT AGENT
マイナビIT AGENTは、マイナビ転職やマイナビエージェントを運営するマイナビが実施しているIT業界に特化した転職エージェントです。
通常のマイナビエージェントとは異なり、IT・Web業界に精通したエージェントを配置して、専門性の高いアドバイスやキャリアプランを提示してもらえます。
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既にマイナビエージェントに登録されている方であっても併用することが可能なため、マイナビIT AGENTにも登録してみるとよいでしょう。
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※マイナビのプロモーションを含みます。
Web系からSIerへ転職したい人におすすめの転職エージェント②Geekly
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Web系からSIerへ転職したい人におすすめの転職エージェント③リクルートエージェントIT
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Web系からSIerへ転職したい人におすすめの転職エージェント④dodaエンジニアIT
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まとめ:Web系からSIerへの転職はできる?【違いや将来性もご紹介】
今回はWeb系からSIerへ転職するメリットやそれぞれの違い、向いている人・向かない人の特徴などについて解説しました。
改めてWeb系からSIerへ転職するメリットを確認しておきましょう。
Web系からSIerへ転職するメリット
- 年収が上がりやすい
- プログラミングスキルが不要
- 企業経営が安定している
- 大規模なプロジェクトに携われる
- 教育体制や福利厚生がしっかりしている
Web系からSIerへの転職が向いている人の特徴は以下の通り。
Web系からSIerへの転職が向いている人の特徴
- 大規模な開発プロジェクトに携わりたい
- 教育体制が整っているところでスキルを身に着けたい
- 長期的に働ける職場に勤めたい
Web系からSIerへの転職が向かない人の特徴は以下の通りです。
Web系からSIerへの転職が向かない人の特徴
- 自社サービスへの愛がある
- プログラミング以外も積極的に学習できる
- 古い企業体質の中で働きたくない
SIerやWeb系、他の企業との比較について更に詳しく知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。
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