今回はこんな悩みにお答えしていきます。
キャリアをより有利に進めるためにITパスポート試験や情報セキュリティマネジメント試験などのIT資格を取得しようと考えている方も少なくないはず。
この記事でわかること
- ITパスポート試験と情報セキュリティマネジメント試験を徹底比較
- ITパスポート試験と情報セキュリティマネジメント試験がおすすめの人
- ITパスポート・情報セキュリティマネジメントに合格するための勉強法
- まとめ:ITパスポート試験と情報セキュリティマネジメント試験はどっちがおすすめ?【違いを徹底比較】
おすすめ資格取得できるプログラミングスクールおすすめ7選【おすすめ資格もご紹介】
目次
ITパスポート試験と情報セキュリティマネジメント試験を比較
情報に関する国家試験の中でも初級レベルに位置するのがITパスポートと情報セキュリティマネジメントです。
ITパスポート試験 | 情報セキュリティマネジメント試験 | |
対象者 | ITを利活用する者 全ての社会人 | ITを利活用する者 ITの安全な利活用を推進する者 |
試験形式 | 四肢択一の小問が100問出題されるシンプルな形式 | 午前は四肢択一の問題が50問、午後は長文問題の多肢選択式が3題出題される |
出題内容 | テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系 | 情報セキュリティ全般、情報セキュリティ管理、情報セキュリティ対策、情報セキュリティ関連法規、テクノロジ、マネジメント、ストラテジ |
難易度 | 簡単 1000点満点中600点以上が合格 | やや難しい 午前と午後それぞれ100点満点&どちらかが60点を下回ると不合格 |
合格率 (5年間の平均) | 52.7% | 60.6% |
試験時間 | 120分 | 午前・午後それぞれ90分 |
受験料金 | 7,500円 | 7,500円 |
取得するメリット | IT利用に関する基礎知識が備わっていることを客観的に証明できる | セキュリティに関する専門的な知識が備わっていることを示せる |
就職・転職時の評価 | 新卒は「無いよりはマシ」、中途は「あってもなくても変わらない」 | 情報セキュリティに関連する企業へ就職・転職する場合には評価対象になる |
おすすめの人 | これから新卒で企業に入社する予定の人・就活前の学生 | 情報セキュリティに関連する仕事をしている人(あるいは就く予定の人) |
おすすめの参考書 | ・ITパスポート 絶対合格の教科書 ・キタミ式イラストIT塾 ITパスポート ・丸山紀代のITパスポート テキスト&問題集 | ・情報セキュリティマネジメント テキスト&問題集 ・徹底攻略 情報セキュリティマネジメント教科書 ・令和04年 情報セキュリティマネジメント 合格教本 |
おすすめ講座 | ITパスポート試験講座 | 情報セキュリティマネジメント講座 |
それでは順番に解説していきます。
1. 対象者
画像にもあるように、ITパスポートと情報セキュリティマネジメントはいずれも「ITを利活用する者」が対象者となっています。
どちらも受験資格は設定されていません。
ITパスポートは特に「全ての社会人」が対象となっているのが特徴です。
一方で、情報セキュリティマネジメントはITパスポートから一歩進んで「ITの安全な利活用を推進する者」が対象です。
2. 試験形式
試験はいずれもコンピューターで試験を受験するCBT(Computer Based Testing)方式で実施されます。
CBT(Computer Based Testing)方式とは、コンピュータを利用して実施する試験方式のことです。
受験者はコンピュータに表示された試験問題に対して、マウスやキーボードを用いて解答します。
「CBT操作説明」はこちら「ITパスポート試疑似体験用ソフトウェア」はこちら
(CBTの受験画面をPC上で体験できます)出典:CBT方式の試験の説明
受験者は事前に受験会場を予約し、試験当日は会場に設置された専用のPCで試験を受けます。
ITパスポートの出題形式は、四肢択一の小問が100問出題されるシンプルな形式です。
一方で、情報セキュリティマネジメントは、午前と午後に試験が分かれており、午前は四肢択一の問題が50問、午後は長文問題の多肢選択式が3題出題されるという違いがあります。
3. 出題内容
ITパスポートはITを利活用するすべての人が受験できる内容となっているため、出題内容も基本的なものがほとんどとなっています。
具体的には、【ストラテジ系】【マネジメント系】【テクノロジ系】の3つに分類された項目からそれぞれ出題されます。(以下参照)
ITパスポート試験の出題内容
分野 | 大分類 | 中分類 | ||
ストラテジ系 | 1 | 企業と法務 | 1 | 企業活動 |
2 | 法務 | |||
2 | 経営戦略 | 3 | 経営戦略マネジメント | |
4 | 技術戦略マネジメント | |||
5 | ビジネスインダストリ | |||
3 | システム戦略 | 6 | システム戦略 | |
7 | システム企画 | |||
マネジメント系 | 4 | 開発技術 | 8 | システム開発技術 |
9 | ソフトウェア開発管理技術 | |||
5 | プロジェクトマネジメント | 10 | プロジェクトマネジメント | |
6 | サービスマネジメント | 11 | サービスマネジメント | |
12 | システム監査 | |||
テクノロジ系 | 7 | 基礎理論 | 13 | 基礎理論 |
14 | アルゴリズムとプログラミング | |||
8 | コンピュータシステム | 15 | コンピュータ構成要素 | |
16 | システム構成要素 | |||
17 | ソフトウェア | |||
18 | ハードウェア | |||
9 | 技術要素 | 19 | <2022年4月の試験から> 情報デザイン <2022年3月の試験まで> ヒューマンインタフェース | |
20 | <2022年4月の試験から> 情報メディア <2022年3月の試験まで> マルチメディア | |||
21 | データベース | |||
22 | ネットワーク | |||
23 | セキュリティ |
また、情報セキュリティマネジメントはITパスポートと同じ3つの系から関連して出題されるだけでなく、【情報セキュリティ】に関する重点分野から多く出題されるのが特徴です。(以下参照)
情報セキュリティマネジメント試験の出題内容
重点分野 | 情報セキュリティ全般 | 機密性・完全性・可用性、脅威、脆弱性、サイバー攻撃手法、暗号、認証 など |
---|---|---|
情報セキュリティ管理 | 情報資産、リスク、ISMS、インシデント管理などの各種管理策、CSIRT など | |
情報セキュリティ対策 | マルウェア対策、不正アクセス対策、情報漏えい対策、アクセス管理、 情報セキュリティ啓発 など | |
情報セキュリティ関連法規 | サイバーセキュリティ基本法、個人情報保護法、不正アクセス禁止法 など | |
関連分野 | テクノロジ | ネットワーク、データベース、システム構成要素 |
マネジメント | システム監査、サービスマネジメント、プロジェクトマネジメント | |
ストラテジ | 経営管理、システム戦略、システム企画 |
4. 難易度
難易度で比較すると、ITパスポートの方が簡単で、情報セキュリティマネジメントの方がやや難しいといえます。
ITパスポート
ITパスポートの試験はITに関する入門的な位置付けの試験ですが、基本的な用語や説明に関する選択肢が出てくるので「知っていないと解けない問題」も混ざっています。
なかには常識的な判断で解けるものも含まれていますが、1000点満点中600点が合格ラインを超えるためには一定の対策が必要です。
情報セキュリティマネジメント
情報セキュリティマネジメントはITパスポートに合格できる知識量が前提として必要です。
それに加えて情報セキュリティについて少し突っ込んだ問題も出題されるので、難易度はやや難しめと言えるでしょう。
午前と午後でそれぞれ100点満点で、それぞれ60点が合格最低点となっており、どちらか一方が60点を下回ると不合格となります。
5. 合格率
5年間の平均合格率(合格者数/受験者数)を比較してみると以下のようになります。
ITパスポート | 情報セキュリティマネジメント | |
平成28年度 | 48.3% | 79.0% |
平成29年度 | 50.4% | 58.4% |
平成30年度 | 51.7% | 49.9% |
令和元年度 | 54.3% | 49.4% |
令和2年度 | 58.8% | 66.6% |
平均 | 52.7% | 60.6% |
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_07toukei/suii_hyo.pdfより
ご覧のようにITパスポートの方が合格率の平均スコアは低くなっています。
とはいえ一般的に難易度が高いとされているのは情報セキュリティマネジメントであるため、本来なら情報セキュリティマネジメント試験の方が合格率が低くなるはずです。
というのも情報セキュリティマネジメント試験は2016年から始まった新しい試験であるため、合格率の変動は激しいです。
6. 試験時間
ITパスポートは120分、情報セキュリティマネジメントは午前・午後がそれぞれ90分となっています。
情報セキュリティマネジメントは時間に少し余裕があるように見えますが、長時間考える必要がある問題も含まれているため油断はできません。
受験を考えている人は、過去問を本番と同じ時間で一度解いてみましょう。
7. 受験料金
受験料はいずれも7,500円(税込)です。
安いとは決して言えない金額なので、できるだけ1回の受験で合格できるよう対策していきましょう。
8. 取得するメリット
続いては各資格を取得するメリットについて比較してみましょう。
ITパスポートを取得するメリット
ITパスポートを取得するメリットは、これから仕事をする人にとってITの利用に関する基礎知識が備わっていることを客観的に証明できる点です。
企業によっては、入社までに各自でITパスポートを受験して合格しておくことを求めているところもあります。(この場合受験料は企業が負担するか、受験用のバウチャーを支給されることが多いでしょう)
情報セキュリティマネジメントを取得するメリット
また、情報セキュリティマネジメントの取得メリットは、セキュリティに関する専門的な知識が備わっていることを示せる点です。
9. 就職・転職時の評価
最後に各資格に対する就職・転職時の評価について解説します。
ITパスポートの評価
就職や転職でITパスポートを持っている人は、「基本的なITの知識を一通り勉強したことがある人」として見てもらえる可能性があります。
勉強せずに簡単に合格できる試験ではないため、一定の努力を評価してもらえることもあるでしょう。
情報セキュリティマネジメントの評価
一方で情報セキュリティマネジメントは情報セキュリティに関連する企業へ就職・転職する場合には評価対象となります。
業務で前提となる知識を既に理解している客観的な証明となるので、情報セキュリティ関連の企業へ就職や転職を考えている人は先に情報セキュリティマネジメントを取得しておく方がメリットが大きいです。
どんな企業でも通用する情報処理技術者資格を取得したい方は、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験がオススメです。
基本情報技術者試験と応用情報技術者試験の違いを比較【どっちがおすすめ?】
更新日:2024年7月27日
ITパスポート試験と情報セキュリティマネジメント試験はどっちがおすすめ?
これまでITパスポートと情報セキュリティマネジメントの違いについて解説してきました。
続いては、それぞれの資格がおすすめの人・向いている人の特徴をご紹介します。
ITパスポート試験がおすすめの人の特徴
ITパスポートを取るのがおすすめな人は、「これから新卒で企業に入社する予定の人・就活前の学生」です。
なぜならほとんどの企業はPCやスマホといったIT関連機器を扱って仕事をするため、新卒はITに関する基本的な知識が求められるからです。
企業によっては入社後に一定の研修をして身につけられるところもありますが、入社前に備わっているに越したことはありません。
情報セキュリティマネジメント試験がおすすめの人の特徴
情報セキュリティマネジメントを取るのがおすすめな人は、情報セキュリティに関連する仕事をしている人(あるいは就く予定の人)です。
ITパスポートと比較すると試験内容も情報セキュリティに特化しているため、どうしてこの資格を取ろうと思ったのかを聞かれることもあります。
巷では「情報セキュリティマネジメント 意味ない」と言われることもありますが、情報セキュリティに関連する仕事に就くために自己研鑽として取得したことを説明できれば、採用面接でも一定の評価対象となる可能性があります。
情報セキュリティマネジメントよりも需要の高い基本情報技術者試験や応用情報技術者試験に合格しておくと、就職・転職がより一層有利になるでしょう。
両方取得したい場合はITパスポート試験から
ITパスポートと情報セキュリティマネジメントの両方を取得したいと考えている人は、先にITパスポートから取得しましょう。
ITパスポートでは【ストラテジ系】【マネジメント系】【テクノロジ系】の3つに分類された項目からそれぞれ出題されますが、情報セキュリティマネジメントでもこの3分野が関連分野として出題されているからです。
ITパスポート試験・情報セキュリティマネジメント試験に合格するための勉強法
ITパスポートと情報セキュリティマネジメントに合格するためには対策が必要です。
どんな対策が有効か、いくつか紹介したいと思います。
ITパスポート・情報セキュリティマネジメントに合格するための勉強法
- 参考書
- YouTube
- 資格教室・講座
それでは順番に解説していきます。
勉強法① 参考書
ITパスポートや情報セキュリティマネジメント向けの参考書は結構充実しているのが特徴です。
ITパスポートのおすすめの参考書
ITパスポートは人気の資格なので参考書の種類が多いです。
Amazonの試し読み機能を使ったり、口コミを見ながら自分に合う参考書を選んでみましょう。
情報セキュリティマネジメントのおすすめの参考書
電子書籍ならいつでもどこでもスマホやタブレットで勉強できるのでオススメです。
勉強法② YouTube
最近ではYoutubeでもITパスポートや情報セキュリティマネジメントの解説動画が公開されています。
YouTubeでの対策のポイントは、どこに力点を置いて対策するのが効果的かを解説している動画が多い点です。
各資格のおすすめYouTube動画
勉強法③ 資格教室・講座
参考書や動画によって学習をしているとき、わからないことが解決できずに挫折してしまう方も少なくないでしょう。
独学に不安があるなら資格教室・講座やパソコン教室に通う方法も検討できます。
ITパスポートでおすすめの資格教室・講座
資格講座名 | スタディング |
学習形態 | オンライン |
ITパスポート試験の対策講座 | ITパスポート試験講座 |
料金(税込) | ・ITパスポート 合格コース:7,920円 ・【更新版】ITパスポート 合格コース:43,800円 |
学習時間 | 約30時間 |
講座の特徴 | 講座も問題集もオンラインで利用可能 動画講義でわかりやすく理解 最短合格を目指す合理的カリキュラムを採用 1,800名以上のITパスポート試験の合格者体験談を公開 AI問題復習機能で記憶を定着 合格お祝いギフト券2,000円分進呈! 講座の無料お試し受付中 |
公式サイト | スタディングの公式サイトを確認する |
情報セキュリティマネジメントでおすすめの資格教室・講座
資格講座名 | スタディング |
学習形態 | オンライン |
情報セキュリティマネジメント試験の対策講座 | 情報セキュリティマネジメント講座 |
料金(税込) | 15,400円 |
学習時間 | 約15時間 |
講座の特徴 | 講座も問題集もオンラインで利用可能 動画講義でわかりやすく理解 最短合格を目指す合理的カリキュラムを採用 AI問題復習機能で記憶を定着 合格お祝いギフト券2,000円分進呈! 講座の無料お試し受付中 |
公式サイト | スタディングの公式サイトを確認する |
おすすめ資格取得できるプログラミングスクールおすすめ7選【おすすめ資格もご紹介】
まとめ:ITパスポート試験と情報セキュリティマネジメント試験はどっちがおすすめ?【違いを徹底比較】
今回はIT資格の中でも人気のあるITパスポートと情報セキュリティマネジメントの違いやおすすめの人、合格のための勉強法についてご紹介しました。
改めてITパスポートと情報セキュリティマネジメントの違いを確認しておきましょう。
ITパスポート試験 | 情報セキュリティマネジメント試験 | |
対象者 | ITを利活用する者 全ての社会人 | ITを利活用する者 ITの安全な利活用を推進する者 |
試験形式 | 四肢択一の小問が100問出題されるシンプルな形式 | 午前は四肢択一の問題が50問、午後は長文問題の多肢選択式が3題出題される |
出題内容 | テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系 | 情報セキュリティ全般、情報セキュリティ管理、情報セキュリティ対策、情報セキュリティ関連法規、テクノロジ、マネジメント、ストラテジ |
難易度 | 簡単 1000点満点中600点以上が合格 | やや難しい 午前と午後それぞれ100点満点&どちらかが60点を下回ると不合格 |
合格率 (5年間の平均) | 52.7% | 60.6% |
試験時間 | 120分 | 午前・午後それぞれ90分 |
受験料金 | 7,500円 | 7,500円 |
取得するメリット | IT利用に関する基礎知識が備わっていることを客観的に証明できる | セキュリティに関する専門的な知識が備わっていることを示せる |
就職・転職時の評価 | 新卒は「無いよりはマシ」、中途は「あってもなくても変わらない」 | 情報セキュリティに関連する企業へ就職・転職する場合には評価対象になる |
おすすめの人 | これから新卒で企業に入社する予定の人・就活前の学生 | 情報セキュリティに関連する仕事をしている人(あるいは就く予定の人) |
おすすめの参考書 | ・ITパスポート 絶対合格の教科書 ・キタミ式イラストIT塾 ITパスポート ・丸山紀代のITパスポート テキスト&問題集 | ・情報セキュリティマネジメント テキスト&問題集 ・徹底攻略 情報セキュリティマネジメント教科書 ・令和04年 情報セキュリティマネジメント 合格教本 |
おすすめ講座 | ITパスポート試験講座 | 情報セキュリティマネジメント講座 |
どちらも需要が高く、ITエンジニアとしてキャリアアップしたい方には欠かせない資格と言えるでしょう。
また情報技術者試験に合格したい方は以下の勉強法がオススメです。
ITパスポート・情報セキュリティマネジメントに合格するための勉強法
- 参考書
- YouTube
- 資格教室
他の情報技術者試験について詳しく知りたい方は以下の記事も合わせてご覧ください。
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