今回はこんな悩みにお答えしていきます。
将来性を考えてSESへの転職でキャリアアップしようと考えている方も少なくないはず。
そこで今回はSES(客先常駐)に将来性はあるのか、SESの市場規模や業界の動向などについて解説します。
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目次
SES(客先常駐)に将来性はある?
SES(客先常駐)では、比較的短期間でさまざまなクライアントのもとで働くことになります。
雇用元は同じSES企業であっても、SESエンジニア特有の働き方や業界の構造などから「このままSESエンジニアを続けていて将来大丈夫なのだろうか」といったように不安を抱く人も少なくありません。
また、これからエンジニアとして働きたいと考えている人にとっても「SESって将来的にはどうなの?」「社内エンジニアの方将来性があるの?」と疑問を感じている人もいるでしょう。
ただし、一口にSES企業といってもさまざまな企業があるため、全てのSES企業に将来性があるとは言い切れません。
以下では、SES企業に将来性がある理由や将来性がある企業とない企業の特徴などを詳しく見ていきましょう。
SES企業に将来性がある理由
SES企業に将来性がある理由としては、大きく2つの理由があります。
ただし、将来性がある一方で業界特有の課題を抱えていることも事実です。
ここからは、SES企業に将来性がある理由と、SES企業が抱える課題について解説します。
SES企業に将来性がある理由
- IT業界の市場規模が拡大している
- SES業界の市場動向も同様
- SES業界に課題があるのも事実
それでは順番に解説していきます。
理由1. IT業界の市場規模が拡大している
SES企業に将来性がある理由としてまず挙げられるのが、IT業界の市場規模の拡大です。
2019年に経済産業省が発表した「IT人材需給に関する調査(概要)」によると、IT人材の不足は年々増加傾向にあり、最悪の場合、2030年に不足するIT人材は約79万人にものぼるという予想もされています。
人材不足の原因は、IT業界の市場規模が拡大し続けているためであり、例えばインフラエンジニアやプログラマになる人の数が増えていても、需要が大きく上回っているため人材の供給が追いつかないのです。
今後もIT業界の市場規模が拡大することは容易に想像できます。
理由2. SES業界の市場動向も同様
IT業界だけではなく、SES業界の市場規模も増加の一途を辿っています。
また、必要とするエンジニアの数もプロジェクトによって増減するため、仮に自社でエンジニアを確保できたとしても、プロジェクトによっては人手を持て余してしまう可能性があります。
雇用規制の厳しい日本では、エンジニアを大量に確保することは難しく、必要なときに必要なエンジニアを調達できるSES企業は非常に重宝される存在というわけです。
したがって、今後のIT業界の動向から考えても、SES業界に将来性はあるといえるでしょう。
理由3. SES業界に課題があるのも事実
ここまで解説してきたとおり、将来性があるといえるSES業界ですが、その一方である課題も抱えています。
それは、クライアントから元請け企業へと委託された案件が、2次請け、3次請け、4次請けといったように、何層にもわたって再委託されている多重請負構造(多重下請け構造)がある点です。
この多重請負構造の問題点は、下請けの階層が深くなればなるほど労働環境が劣悪になったり、プロジェクト内で問題が発生した場合に責任の所在が曖昧になってしまうことです。
SES企業自体には将来性があっても、実際の現場ではこのような課題に直面している場合もあるため、SESエンジニアとして働くのであれば、企業選びが重要なポイントとなるでしょう。
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将来性がないSES企業の特徴
SES(客先常駐)自体は、決して将来性のない働き方というわけではありません。
「さまざまな常駐先でスキルを身につけたい」と考えている人や「とにかく実務経験を積みたい」と考えている人にとってはおすすめの働き方ともいえます。
しかし、一口にSES企業といってもさまざまな企業があるため、SES(客先常駐)で働くのであれば、次のような特徴を持つ将来性のないSES企業への就職は避けるべきでしょう。
将来性がないSES企業の特徴
- 案件単価・還元率が低い
- 人事評価の基準が曖昧
- 4次、5次、6次請けの下請け
- エンジニア未経験者ばかり採用している
それでは順番に解説していきます。
1. 案件単価・還元率が低い
案件単価や還元率が低いSES企業は、営業担当者が安い単価の仕事しかとってこられなかったり、会社がマージンを多くとっている可能性があるため、年収が上がる可能性も低く、将来性が低いと考えてよいでしょう。
例えばIT業界で働くシステムエンジニアの場合、平均年収は550万円ほどといわれています。
スキルや実績にもよりますが、20代であれば年収400万円以上、30代であれば年収500万円以上になることも珍しくないため、案件単価が安かったり、還元率が低いSES企業は避けるべきでしょう。
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2. 人事評価の基準が曖昧
どれだけ常駐先で成果を出しても、人事評価の基準が曖昧なSES企業も将来性は低いといえます。
なぜなら、そのような企業では目先の利益しか考えておらず、エンジニアのキャリアプランと向き合っていないと考えられるためです。
反対に、長期的な視点を持っているSES企業の場合は、自社のエンジニアを育てることで高単価の案件を獲得するという好循環を生み出すため将来性があると考えられます。
成果物を出しても、スキルが評価されていないと感じた時やだれでも出来る仕事を任せられた時にそこに自分がいる意味が無いのかと思う。また自分の希望が通らなかったときに現場を変えたいと感じる。
口コミ投稿者:yn340526さん / 30歳男性 / 千葉県在住
業界(職種):金融(サーバエンジニア) / 3年間勤務
平均年収:400万円 / 業務内容:金融システムの運用保守
3. 4次、5次、6次請けの下請け
4次請け、5次請け、6次請けなど、下請けすぎるSES企業も将来性がないといえます。
なぜなら、下請けになればなるほど中間マージンが発生し、利益が少なく、エンジニアの給与も上がらないからです。
さらに、給与が少ない上にリソースが足りず長時間労働にもなりやすいため、離職率が高い職場で仕事を続けることになってしまいます。
4. エンジニア未経験者ばかり採用している
SES企業では未経験者や経験の少ないエンジニアの採用を積極的に行っているケースも少なくありません。
未経験者や経験の少ないエンジニアにとっては実務経験が積めるチャンスですが、見方を変えると、次のような疑いもあります。
- 未経験者でもできるような下流工程の仕事が多い
- 離職率が高くとにかく人材が欲しい
- SESエンジニアが長く働ける環境が整っていない
「未経験者を採用している=将来性がない」というわけではありませんが、長く働き続けているエンジニアが在籍しているかどうかも、将来性のあるSES企業を見分けるポイントの一つです。
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将来性があるSES企業の特徴
ここまで、将来性がないSES企業の特徴を解説してきましたが、今度は反対に将来性があるSES企業の特徴を解説します。
SESエンジニアとして働きたいと考えるのであれば、次のポイントをクリアしているかどうかをチェックしましょう。
将来性があるSES企業の特徴
- 評価制度・キャリアパスが明確
- SES以外の事業をおこなっている
- 研修制度・教育体制が充実している
それでは順番に解説していきます。
1. 評価制度・キャリアパスが明確
評価制度が整っており、SESエンジニアのキャリアパスが明確なSES企業では、スキルを上げることで収入もアップするという好循環が続いていきます。
そうなると、SESエンジニアの定着率も高くなり、企業も単価の高い案件を獲得できるようになるため利益率をアップさせることができるため、高い将来性が見込めます。
高い年収が得られても、評価制度が曖昧な場合はSES企業が高い割合でマージンをとっている可能性があり、自分の思い描くキャリアパスに近づけない可能性があります。
案件の期間が決まっていれば色々な人や仕事に出会うことが出来るので刺激にはなりました。
一つ目の案件では現場の方々にかなり良い評価をして頂けたので、契約期間の延長や契約終了後の案件紹介をして頂けました。
そのため、頑張り次第では同じ現場で仕事をし続けたり、待機期間がなくなるのでとても自分にプラスになると思います。
口コミ投稿者:りんごさん / 23歳女性 / 神奈川県在住
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平均年収:約260万円 / 業務内容:地方自治体向け税関系システムのテスト支援、研修運営・サポート
2. SES以外の事業もおこなっている
SES企業の中には、SES事業だけではなく、受託開発や請負開発といったSES事業以外の事業を展開している企業もあります。
このような企業の場合、上流工程から案件にアサインできる可能性も高くなるため、エンジニアとしてより高みが目指せるスキルや実績を身につけられることが期待できるでしょう。
反対に、SES事業しか行っていない企業の多くは、二次請けや三次請け、あるいはそれ以下の下請け企業である確率が高いため、将来性を考えると出来るだけ避けるべきでしょう。
3. 研修制度・教育体制が充実している
SESエンジニアは基本的に客先に常駐して働くことが多いため、自社への帰属意識が薄くなりがちです。
それに加え、もし常駐先からの評価が満足の得られないもので合った場合、SESエンジニアの離職率も高まります。
自社のSESエンジニアがより高度なスキルや知識を要する案件にアサインできたり、正当な評価を得られることを目指しているSES企業では、定期的に研修を行ったり、教育制度が整っています。
研修期間でITパスポート取得に向けて勉強が出来るので、取得すれば「業界未経験でも一ヶ月で国家資格が取得できた」と自信にもつながりました。その際の費用も全額負担してもらえ、分からない部分を教えて頂けたり、余裕があればVBAの課題も出して頂けたのでエンジニア思いだなと感じました。
口コミ投稿者:りんごさん / 23歳女性 / 神奈川県在住
業界(職種):ソフトウエア・通信(システムエンジニア) / 1年間勤務
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おすすめSES企業の見分け方!【ホワイトなSESの見極め方とは】
SES(客先常駐)よりも高い将来性を求める人におすすめの転職先
ここまで、SES(客先常駐)について解説してきましたが、SES(客先常駐)よりも高い将来性を求める人であれば、次のような転職先もおすすめです。
ただし、以下の転職先ではエンジニアとしての一定のスキルや実績が求められるため、未経験者や経験の少ないエンジニアの場合は、まずはSESエンジニアとしてスキルや実績を身につけてから挑戦することをおすすめします。
おすすめSESからの転職先おすすめ8選【エンジニア転職したい人必見】
SIer・受託開発企業
SIerとは、システム開発における企画から開発、運用の一部や全てを請け負う企業のことで、受託開発企業とは、システム開発の受託を受ける企業のことです。
Slerの中には受託開発のみを行う企業もありますが、自社開発やSES、IT派遣を行っている企業もあります。
いずれも上流工程の担当がメインで、下流工程は外注するケースが多いため、エンジニアとしての実装スキルよりも、開発の知識やマネジメントスキル、コミュニケーション能力が求められるでしょう。
コミュニケーション能力が高まる練習法を知りたい方は「1万人が実践!コミュニケーション能力が高まる10秒練習法」をご覧ください。
自社開発企業・Web系
自社開発企業・Web系とは、商品やサービスを自社で開発し、運営から販売までを行っている企業のことです。
自社開発企業・Web系の代表格としては、楽天やヤフー、サイバーエージェントやLINEなどが挙げられます。
これらの企業で働くメリットとしては、やりがいがあることや、テレワークが充実していることなどが挙げられますが、一方で、大手企業でない場合は、収入が低かったり、長期的なキャリアが描きにくいといった可能性もあります。
おすすめSESから自社開発への転職は難しい?【成功させるコツをご紹介】
将来性が高いIT企業に転職するなら転職エージェントがおすすめ
SES企業だけに限らず、エンジニアとして将来性の高いIT企業に転職したいと考えるのであれば、転職エージェントを利用した就職活動がおすすめです。
転職エージェントでは、求人の紹介だけではなく、就職活動全般のサポートを無料で受けることができます。
以下では、将来性の高いIT企業への転職を目指す際におすすめの転職エージェントを紹介します。
将来性が高いIT企業に転職したい人向けのエージェント①Geekly
GeeklyはIT・Web・ゲーム業界の人材紹介を専門とした転職エージェントで、非公開求人を含めた2万7,000件以上の求人の中から、一人ひとりに合った求人を紹介しています。
例えばインフラエンジニアやWebデザイナー、3Dモデラーなど、職種ごとに細分化されたコンサルタントが在籍しているため、より自分の希望や経歴に合った求人と出会いやすい点が大きな特徴です。
また、求人への応募時には専門の書類作成チームが履歴書や職務経歴書の作成を代行してくれる点も嬉しいポイントです。
SESはスキルアップしにくいと感じたので退職しました。転職活動では転職エージェントを利用しました。Geekly、D社、W社などを使いました。D社は全く興味のない業界の求人を案内してきており、全く参考になりませんでした。W社は30件ほどにいきなり書類を送るなどしており、サポートというよりもノルマでやってるという感じがしました。
一方でGeeklyは親身になって日程等を自分の都合に合わせて組んでくれたので使いやすかったです。基本的にはGeeklyに日程調整等を任せて長期的なスパンで転職活動を行いました。
口コミ投稿者:rust1000さん / 24歳男性 / 神奈川県在住
業界(職種):ソフトウエア・通信(インフラエンジニア) / 1社目に1.5年、2社目に1.5年勤務中
平均年収:340万円 / 業務内容:映像監視チームのオペレーター統制業務
将来性が高いIT企業に転職したい人向けのエージェント②マイナビIT AGENT
マイナビIT AGENTは、IT・Webエンジニア向けの無料で利用できる転職支援サービスです。
保有しているSE・システムエンジニアの求人総数は16,000件以上で、非公開求人は6,000件以上(※2023年7月現在)。
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※マイナビのプロモーションを含みます。
将来性が高いIT企業に転職したい人向けのエージェント③レバテックキャリア
レバテックキャリアは、ITエンジニア専門の転職エージェントで、登録者数は45万人にものぼります(※2023年7月現在)。
また、求人には先端技術や上流工程に挑戦できるものが多く、上流工程の求人は9000件を超えます(※2021年10月現在)。
Web企業専門、Sler専門、インフラエンジニア専門など、IT専門の転職アドバイザーが50名以上在籍していることから、紹介される会社についての情報が濃い点も大きな特徴といえるでしょう。
年間3,000回の企業訪問により、実際に現場で導入されている技術やITエンジニアのスキルなども直接確認しているため、よりリアルな情報を得ながら求人を比較することが可能です。
まとめ:SES(客先常駐)に将来性はある?【市場規模や業界の動向を解説】
今回はSES(客先常駐)に将来性はあるのか、SESの市場規模や業界の動向などについて解説しました。
改めてSES企業に将来性がある理由を確認しておきましょう。
SES企業に将来性がある理由
- IT業界の市場規模が拡大している
- SES業界の市場動向も同様
- SES業界に課題があるのも事実
また将来性がないSES企業と将来性があるSES企業はそれぞれ以下の通り。
SES企業や他の企業との比較について更に詳しく知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。