今回はこんな悩みにお答えしていきます。
社内SEへの就職でキャリアアップしようと考えているものの、やめとけという噂を聞いて不安を抱えている新卒の方も少なくないはず。
せっかく新卒で社内SEに転職しても、やめとけといわれる環境であれば、一生懸命取り組んだ就職活動が無駄になってしまうかもしれません。
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目次
新卒で社内SEはやめとけと言われる理由
新卒でエンジニアを目指す方に「社内SEはやめとけ」と言われる理由は、次の5つです。
新卒で社内SEはやめとけと言われる理由
- ITスキルが身につかない
- 給与の伸び率が低い
- コミュニケーションや社内調整が大変
- プログラムを書く機会が少ない
- 社内SEからの転職が難しい
それぞれ詳しく解説します。
理由1. ITスキルが身につかない
社内SEは、プログラミング以外の業務が中心になる場合も、往々にしてあります。
社内システムの運用・保守や、システムに関する社内外からの問い合わせ対応、社内PC全般に関するトラブル対応など、社内SEの業務は、社内のITに関連すること全般にわたるためです。
そのため他のエンジニア職種と比べた際に、社内SEはITスキルが身につかないと言われています。
特にSE業界は、ITスキルを身につけて、より好待遇の企業に転職するのが一般的です。
そのため、ITスキルが身につきにくい社内SEはやめておけと言われています。
ただし近年では、社内SEであっても自社システムの開発に携わることができる場合もありますので、志望する企業の業務内容を詳しく調べておくことが必要です。
理由2. 給与の伸び率が低い
社内SEは給与が伸びにくいことでも知られています。
その理由は、社内SEの給与は勤務先の企業の給与水準に左右されるためです。
フリーランスのSEなどであれば、実績や能力に応じて報酬が決定されますが、社内SEの場合は、勤務先の企業の給与水準が低ければ、実績をどれだけ上げても給与は伸びません。
また、日本経済団体連合会が実施した「昇給・ベースアップ実施状況調査結果」によると、2021年の月例賃金の引き上げ額は1.96%(6,038円)です。
2013年以来8年ぶりに引き上げ額が2%を下回っており、企業の給与水準はなかなか上がる気配はありません。
ただし、マイナビエージェントの調べによると、社内SEの平均年収は約516万円とされており、国税庁が公表している「令和3年民間給与実態調査」では、日本の平均年収は約443万円であるため、社内SEの給与自体は低くないことにも留意して就職活動をするとよいでしょう。
理由3. コミュニケーションや社内調整が大変
社内SEは調整業務も大きなウェイトを占めます。
コミュニケーションや調整業務に苦手意識がある方は社内SEはやめておく方がよいでしょう。
社内SEが調整を行う相手は主に次の2者です。
非システム部門の社員
社内SEは非システム部門の社員との調整をする仕事が多く発生します。
非システム部門の社員はITの知識がないため、効率化の全てをシステム部門への要望として話が回ってくることも珍しくありません。
他にも現行システムの使いにくい点を改修するよう依頼をされる場合に、ITの知識がないと「これくらいすぐできるでしょ」と考えてしまうため、実際には予算や工数の問題ですぐに対応できないことであっても、丁寧な説明が求められる場合もあります。
システム部門の他部署
主に大企業に勤務する社内SEが行う仕事になりますが、システム部門が運用・保守、開発、インフラ基盤など複数の部署に分かれている企業においては、各システム部門の調整業務が発生します。
1つのプロジェクトが立ちあがった際に、アサインできる人員はどのくらいいるのか、予算はどの部署がどの割合で負担するのか、といった調整はシビアな内容のため疲弊する人も多いでしょう。
理由4. プログラムを書く機会が少ない
社内SEは直接的にシステム開発に関わる機会が少ないため、プログラムを書く機会が多くありません。
社内SEは、自社システムの運用・保守や外部システムベンダーへの外注などを担うことが多いため、自分でシステム開発をすることが少ないです。
システム開発に携わる機会が少ないと、ITスキルが身につきにくい上に、SEとして入社したはずが社内調整業務に追われる日々に、充実感を覚えにくくなってしまいます。
ただし、システム開発を社内SEの仕事として扱っている企業も増えてきているので、就職活動を行う中で志望する企業に質問をしてみるのもおすすめです。
おすすめ社内SEでプログラミングできないのは大丈夫?【必要なスキルも解説】
理由5. 社内SEからの転職が難しい
社内SEは、ここまで紹介してきたように直接的にシステム開発に携わる機会が少なく、ITスキルが身につきにくいことから社内SEから他社への転職が難しいです。
他にも社内SEの転職が難しい理由としては、自社システムの開発や運用・保守に携わっているため、スキルに偏りがあると捉えられ、SIerやシステムベンダーの人材より高く評価されにくい傾向にあります。
一方で、転職を特に考えていないのであれば社内SEへの就職も視野に入れてよいでしょう。
おすすめ社内SEは転職できないって本当?【難しい理由や転職成功のコツを解説】
一方で社内SEは勝ち組・楽すぎと言われる理由
社内SEはやめておけと言われる理由について紹介をしてきました。
本章では、反対に社内SEに就職できたら勝ち組であると言われる理由について解説します。
社内SEは勝ち組・楽すぎと言われる理由は次の4つです。
一方で社内SEは勝ち組・楽すぎと言われる理由
- 幅広い業務に関われる
- 残業が少ない
- 上流工程のスキル・経験を積める
- 帰属意識を感じられる
それぞれ詳しく解説します。
理由1. 幅広い業務に関われる
社内SEは社内のITに関する「何でも屋さん」になる一方で、ITに関する幅広い業務を携わることができます。
特化した業務に関わるSIerやシステムベンダーでは経験できないことです。
また大企業以外の社内SEでは、1人が様々なプロジェクトや業務を兼務することもあるため、システム運用・保守からインフラ基盤に関することまで、多くの業務領域を経験することもできます。
様々な領域を経験することで、転職先を探す際に選択肢を広く持つことができるため、社内SEであっても有利に転職活動を進められるでしょう。
理由2. 残業が少ない
社内SEは、SIerやシステムベンダー企業とは異なり、クライアントワークではなく、自社システムの開発に携わることが多いため、納期の融通が利きやすいのが特徴です。
自社のシステム開発における規定の範囲内であれば、納期に追われることが少なく、SIer(受託開発)などと比較すると残業が少ない傾向にあります。
スケジュールだけでなく、仕様や作業の進め方についてもクライアントワークと比べると、自分で決められることが多く、主体性を持って取り組むことができる人にはおすすめです。
理由3. 上流工程のスキル・経験を積める
社内SEは、自社システムの開発をシステムベンダーなどに依頼することも多いです。
外部へ依頼する際には、社内のIT戦略の立案やRFP(提案依頼書)の作成といった、要件定義よりも上流工程を経験することになります。
また、外部発注に際しての契約手続きに関する業務や、非システム部門とシステムベンダーとの橋渡しといった調整業務も担うことが多いです。
このようなシステム開発以前の上流工程や調整業務などで培われるスキルは、エンジニア以外の職種へ転職する際にも大いに役立ちます。
理由4. 帰属意識を感じられる
SIerやシステムベンダー企業などに勤めているエンジニアは、アサインするプロジェクトに応じてクライアントのオフィスへ出向いて働くのが一般的です。
そのため、勤務先である企業の社員であるという帰属意識が薄れやすいデメリットがあります。
勤務先への帰属意識が薄れると、社内でのチームワークや同僚との仲間意識がなくなり、人間関係の悪化につながることも少なくありません。
厚生労働省の調査によると、仕事におけるストレスのうち25.7%が対人関係によるものとされています。
一方で、同調査では、ストレス要因について相談相手がいる人のうち、職場の上司・同僚を相談相手としている人の割合は75.2%でした。
社内SEは、勤務先への帰属意識を感じながら働くことができるため、勝ち組と言われています。
おすすめ社内SEは勝ち組?楽すぎ?【理由や実態を詳しく解説】
新卒で社内SEがおすすめ・向いている人の特徴
ここからは、新卒で社内SEに就職するのが向いている人の特徴について紹介します。
紹介してきたように社内SEは、他のエンジニア職種とは異なる業務を担当するため、適正も異なります。
社内SEへの就職をおすすめする人の特徴は次の3つです。
新卒で社内SEがおすすめ・向いている人の特徴
- コミュニケーションスキルが高い人
- ワークライフバランスを重視している人
- プロジェクト全体に関わりたい人
それぞれ詳しく解説します。
特徴1. コミュニケーションスキルが高い人
社内SEは非システム部門の社員や、外注先のシステムベンダーなど、多くの関係者との調整業務が発生します。
そのため、様々な人とのコミュニケーションが得意な方は、社内SEを目指すのがおすすめです。
反対に調整や交渉といったコミュニケーションよりも、プログラミングに特化した業務を担いたい方は、社内SEよりもシステムベンダー企業を目指すほうがよいでしょう。
また、調整だけでなく、システム開発における専門用語や技術的な内容を、非システム部門の社員にもわかりやすく伝えるコミュニケーション能力も求められます。
特徴2. ワークライフバランスを重視している人
仕事以外の時間も大切にしたい人にも社内SEがおすすめです。
社内SEはSIerやシステムベンダー企業とは異なり、クライアントワークではなく、自社システムの開発業務に携わることが多いため、納期に追われて残業をする場面は多くありません。
ただし、社内SEはプログラミング以外の雑多な仕事も担当することが多いため、勤務先によっては残業が発生することもあります。
この点については、志望する企業の求人内容をよく確認したり、面接時に採用担当者に直接質問したりして情報収集するのがおすすめです。
特徴3. プロジェクト全体に関わりたい人
社内SEは、プロジェクトの上流工程を中心にシステム開発全体に携わることができます。
SIerやシステムベンダー企業のように、クライアントからの依頼によっていくつものシステム開発プロジェクトを請け負うのではなく、自社システムの開発業務に専念できるためです。
システム開発に全体を通して携わりたい方には社内SEは向いているでしょう。
反対に、システム開発に特化して自身のスキルを高めたい方は社内SE以外の選択肢を探すことをおすすめします。
新卒で社内SEはやめとけ・向いていない人の特徴
未経験からの社内SEへの就職や転職は難しい上に、後悔する人が多いです。
本章では、新卒で社内SEを目指す場合に、やめておいた方がよい人、向いていない人の特徴を紹介します。
社内SEに新卒で入社するのはやめておいた方がよい人・向いていない人の特徴は次の3つです。
新卒で社内SEはやめとけ・向いていない人の特徴
- プログラミングスキルを伸ばしたい人
- 調整や交渉が苦手な人
- マルチタスクが苦手な人
それぞれ詳しく解説します。
特徴1. プログラミングスキルを伸ばしたい人
とにかくプログラミングスキルに特化してスキルを伸ばしたい人には、社内SEはおすすめできません。
その理由は、社内SEはシステム開発以外の業務も多く担うことになるためです。
これまで紹介してきた、非システム部門の社員からの問い合わせ対応・調整業務、社内のIT化に関すること全般に対する業務など、社内SEが担当する業務領域は多岐にわたります。
プログラミングスキルを高めて、専門的な技術を身につけたい場合はSIerや自社開発企業などを志望することをおすすめします。
おすすめ自社開発とSIerはどっちがおすすめ?【転職時の注意点も解説】
特徴2. 調整や交渉が苦手な人
社内SEは社内のIT関連全般に携わることになります。
自社システムの開発や改修を行う際に、非システム部門の社員から仕様に関する要望を聞き取り、外部システムベンダーへ依頼する仕様書に落とし込むような調整業務なども担当します。
中には、調整が困難な内容や交渉力を要する場面もあるでしょう。
このような高度なコミュニケーション能力を求められることが苦手な方は、社内SE以外のエンジニア職種を目指すのがおすすめです。
特徴3. マルチタスクが苦手な人
これまで紹介してきたように、社内SEの業務は多岐にわたり、どっしりと腰を据えてプログラム開発に携われることは少ないです。
非システム部門からの問い合わせ対応に、外部のシステムベンダーとの交渉、PC機器等のトラブル対応など、随時目まぐるしいタスクに追われることになります。
しかし、自身でToDoリストを作るなど、マルチタスクを上手に管理する方法は、たくさん開設されているため、自分に合った方法で対処することができれば、マルチタスクが苦手なことだけを理由に社内SEを諦める必要はないでしょう。
社内SEの将来性
現在、社内SEの需要は高まっており、その将来性は明るいです。
理由としてはテレワークの推進と、IT人材全体の供給不足です。
総務省が実施している「通信利用動向調査の結果」によると、テレワークを導入している企業の割合は、2019年の20.2%から2021年には51.9%へ急増しました。
理由は9割以上の企業が新型コロナウイルス感染拡大の影響によるものとしていますが、テレワークの拡大によって、社内システムの新設または改修と、管理運用が必要となり、社内SEの需要は高まっています。
また、IT人材は社会全体で不足している実情も社内SEの需要を高めています。
経済産業省が実施した「IT人材需給に関する調査」では、2030年にはIT人材が最大約79万人不足すると試算されており、今後ますますIT人材の希少価値が高まり、社内SEは重宝される存在になるでしょう。
これらのことから、社内SEの将来性は明るいと言えます。
新卒から社内SEに就職する方法
新卒から社内SEへの就職を目指す方におすすめの方法を紹介します。
社内SEは、方向性がマッチする方からは人気の職種で、経験者採用も活発です。
その中で、新卒から社内SEへの就職を狙うことができる方法は次の2つです。
新卒から社内SEに就職する方法
- IT系の資格を取得する
- 社内SEに強いエージェントを利用する
それぞれ詳しく解説します。
方法1. IT系の資格を取得する
IT系の資格を学生のうちに取得しておくと、就職活動で有利に働きます。
この試験のうち、基本情報技術者試験(FE)や応用情報技術者試験(AP)まで取得していると、就職活動をする上でも一目置かれる存在になります。
基本情報技術者試験は、ITエンジニアとしてキャリアをスタートする上での登竜門的試験とされており、ITを活用した製品やサービスを開発する人材に必要な知識や技術を測る試験です。
応用情報技術者試験は、ITエンジニアとしてワンランク上のレベルを目指す方におすすめの試験で、システム開発やIT基盤構築などの様々な場面で活躍できる高度IT人材としての方向性を確立するための試験です。
基本情報技術者試験はCBT方式で随時実施されているため、学生のうちに受験しやすいというメリットもあります。
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さらに上を目指す場合は、プロジェクトマネージャー試験(PM)や、ネットワークスペシャリスト試験(NW)などに挑戦するのもよいでしょう。
方法2. 社内SEに強いエージェントを利用する
IT系の資格を取得する以外にも社内SEに強いエージェントを利用するのも有効な手段です。
社内SEに強い新卒向けのエージェントとしては、レバテックルーキーが挙げられます。
レバテックルーキーは、ITエンジニア支持率No.1のレバテックが運営する新卒専門の就活エージェントです。
レバテックルーキーの評判・口コミは最悪?【料金や注意点もご紹介】
更新日:2024年7月30日
新卒から社内SE以外のエンジニアに就職する方法
新卒から社内SE以外のエンジニアを目指すには、大学生向けのプログラミングスクールでスキルを伸ばすことで、就職活動を有利に進めることができます。
おすすめのプログラミングスクールは、レバテックカレッジやテックアカデミー、デイトラです。
大学生におすすめのプログラミングスクール①レバテックカレッジ
レバテックカレッジは、先ほど紹介したレバテックルーキーと同じITエンジニア支持率No.1のレバテックが運営している大学生・大学院生向けのプログラミングスクールです。
プログラミング未経験でも3ヶ月間でスキル習得でき、料金も比較的安価。
さらに、優秀な学生を採用したい企業への就活支援サービスも使える手厚いサービスです。
大学生におすすめのプログラミングスクール②TechAcademy(テックアカデミー)
テックアカデミーは、PythonやPHP、Javaなど、身につけたい言語やスキルに合わせてコースを選択できます。
実務経験のあるエンジニアがパーソナルメンターとして、サポート体制を組んでいるため、初めてプログラミングを経験する方でも安心して取り組むことができます。
大学生におすすめのプログラミングスクール③デイトラ
デイトラは、学生の方も利用可能な現場で求められるスキルを身につけられることに重きを置いたオンラインスクールです。
Web制作やWebアプリ開発など、将来的に進みたいキャリアに合わせて受講するコースを選択することができます。
料金も比較的安価で、長期にわたってメンターに質問できる手厚いサポート体制が特徴です。
これらのプログラミングスクールを利用して、スキルを身につけ即戦力として働けることをアピールすることで、就職活動を有利に進められます。
まとめ:新卒で社内SEはやめとけ?将来性はある?【理由や対処法を解説】
今回は新卒で社内SEはやめとけと言われる理由、新卒で社内SEに向いている人・向いていない人の特徴などについて解説しました。
改めて新卒で社内SEはやめとけと言われる理由は以下の通りです。
新卒で社内SEはやめとけと言われる理由
- ITスキルが身につかない
- 給与の伸び率が低い
- コミュニケーションや社内調整が大変
- プログラムを書く機会が少ない
- 社内SEからの転職が難しい
また新卒で社内SEがおすすめ・向いている人の特徴は以下の通りです。
新卒で社内SEがおすすめ・向いている人の特徴
- コミュニケーションスキルが高い人
- ワークライフバランスを重視している人
- プロジェクト全体に関わりたい人
一方で新卒で社内SEはやめとけ・向いていない人の特徴は下記の通りです。
新卒で社内SEはやめとけ・向いていない人の特徴
- プログラミングスキルを伸ばしたい人
- 調整や交渉が苦手な人
- マルチタスクが苦手な人
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