今回はこんな疑問にお答えしていきます。
エンジニアを目指す人が最初に抱える悩みの1つに「プログラミング言語選び」があります。
プログラミング言語の選択によって、制作物や難易度はもちろん、キャリアパスや年収は大きく変わってきます。そのため言語は慎重に選ぶ必要があります。
【先に結論】C++とJavaの比較表
C++ | Java | |
ロゴ画像 | ||
概要 | コンピューターを効率的に動かすC言語に、オブジェクト指向を加えたプログラミング言語 | 1995年に公開された、コンパイラ言語型&オブジェクト指向言語 |
作れるもの | WindowsやLinuxなどのOS IoT機器のソフトウェア Webアプリ開発 ゲームソフト開発用のソフトウェア | Webアプリケーション デスクトップアプリ スマーフォンアプリ 組み込み系システム 大企業の基幹システム |
使用例 | Google Chrome・Windows等 | Twitter・Minecraft・基幹システム |
設計思想 | オブジェクト指向のプログラミング言語 | オブジェクト指向のプログラミング言語 |
汎用性 | 普通 | 高い |
年収 | 高い | 普通 |
求人数 | 多い | 非常に多い |
難易度 | 難しい | 易しい |
将来性 | 普通 | 高い |
おすすめの人の特徴 | IoTや組み込みシステムの開発をしたい方 辛抱強く学習を継続できる方 機械とシステムの理解を深めたい方 C言語の学習にも興味がある方 | 大規模なシステム開発に興味がある方 安定して働きたい方 汎用性の高い言語を学びたい方 プログラミングを基礎から学びたい方 |
おすすめの参考書 | 1週間でC++の基礎が学べる本 新・明解C++入門編 (明解シリーズ) C++の絵本 第2版 | スッキリわかるJava入門 第3版 プロになるJava Java本格入門 |
学習方法 | C++を学べるスクール | Javaを学べるスクール |
公式サイト | Standard C++ | Java | Oracle |
C++やJavaをプロのエンジニアから教わりたい方にはプログラミングスクールがオススメです。詳しくは以下の記事をご覧ください。
Javaが学べるプログラミングスクールおすすめ9選【無料の社会人向けスクールも】
更新日:2024年11月17日
目次
C++とは
まずはC++の特徴からご紹介します。
C++とは
C++(シープラスプラス)とは、C言語に改良を加えたプログラミング言語です。
コンピューターを効率的に動かすC言語に、オブジェクト指向を加えたプログラミング言語でC言語よりも効率的に開発を進めることが出来ます。
他の言語にはない特徴の1つに、プログラムの実行速度が圧倒的に早いと言う点があります。
これはC++がコンパイラ型言語という機械が処理しやすいプログラムを生成できるためです。(コンパイルとは、ソースコードから実際に機械が理解できる言葉に翻訳する処理を指します。)
ハードウェアを直接する言語なので主に組み込み系のシステムに使われていますが、Webアプリケーションにも使われています。
C++で作れるもの
C++で作れるものには以下のものがあります。
C++で作れるもの
- WindowsやLinuxなどのOS
- IoT機器のソフトウェア開発
- Webアプリ開発
- ゲームソフト開発用のソフトウェア構築
C++のコンピューターを高速処理できる特性を活かし、Webアプリやゲームのコアとなるシステムの開発に利用されています。
C++が使われている具体的なサービス
C++が使われているサービスには以下のものがあります。
Google Chrome
https://www.google.com/intl/ja_jp/chrome/
世界で最も利用されているWebブラウザであるGoogle ChromeはC++で開発されています。
またChrome内にたくさんある拡張機能もC++で作られています。
Windows
https://www.microsoft.com/ja-jp/windows
もっとも親しまれ長年使われてきたOSであるWindowsもC++を使って開発されています。
おすすめ【2024年最新】C++が学べるプログラミングスクールを徹底解説
Javaとは
続いてはJavaの特徴についてご紹介します。
Javaとは
Javaは1995年に公開されたオブジェクト指向言語で、現在最も多くのシステムで使われていると思われるプログラミング言語です。
Javaには「オブジェクト指向である」「OSに依存せず動作する」「処理速度が速い」という3つの特徴があります。
オブジェクト指向とは、プログラムを「オブジェクト(物)」として扱い、オブジェクトを組み合わせてシステムを構築する概念です。
プログラミング言語の中には、特定の環境でしか動作しないものもありますが、JavaはWindows、Linux、MacOSなどどんな環境でも動作すると言う特徴も持っています。
また、JavaはC++と同様にコンパイラ型言語です。
C++よりは遅いですが他のプログラミング言語と比べると、処理速度が速い言語になります。
Javaで作れるもの
Javaで作れるものには以下のものがあります。
Javaで作れるもの
- Webアプリケーション
- デスクトップアプリ
- スマーフォンアプリ
- 組み込み系システム
- 大企業の基幹システム
PHPはWebアプリケーション、C言語は組み込み系システム、と通常は言語によって開発できるものとできないものがあります。
しかしJavaは上記に挙げた様にさまざまなアプリやシステムを開発することができます。
Javaが使われている具体的なサービス
続いてJavaが使われているサービスをご紹介します。
人気SNSサービスであるTwitterもJavaで作られています。
Twitterは元々はRubyという言語で作られていましたが、処理速度の改善のために2011年頃にJavaへと作り替えられました。
Minecraft
https://www.minecraft.net/ja-jp
大量の処理を必要とするゲームもJavaで作ることが出来ます。
MinecraftにもJavaが使われています。
基幹システム
安定した動作が求められる商用に使われる基幹システムはJavaで書かれることが多いです。
Javaが学べるプログラミングスクールおすすめ9選【無料の社会人向けスクールも】
更新日:2024年11月17日
C++とJavaを徹底比較
ここからはC++とJavaにどのような違いがあるのか比較していきましょう。
C++ | Java | |
設計思想 | オブジェクト指向のプログラミング言語 | オブジェクト指向のプログラミング言語 |
汎用性 | 普通 | 高い |
年収 | 高い | 普通 |
求人数 | 多い | 非常に多い |
難易度 | 難しい | 易しい |
将来性 | 普通 | 高い |
それでは順番に詳しく解説していきます。
1. 設計思想で比較
C++もJavaもオブジェクト指向のプログラミング言語なので、設計思想に大きな違いはありません。
JavaはWebサービスやアプリケーション開発、C++は組み込みシステムに向いています。
次の章で詳しく見てみましょう。
2. 汎用性で比較
汎用性はC++よりもJavaの方が高いと言えます。
Javaは汎用性の高い言語なので、大規模なシステムや基幹システム、Webアプリケーションなど幅広い開発が可能です。
一方で、C++はシステム開発にはあまり向いておらず、機械を直接操作するという特性を活かしてコンピューターのOSや家電などに使われる組み込みシステムの開発に使われます。
3. 年収で比較
C++とJavaの平均年収をTECH Streetを元に比較してみましょう。
C++エンジニアの平均年収 | Javaエンジニアの平均年収 | |
20代 | 390万円 | 380万円 |
30代 | 521万円 | 505万円 |
40代 | 633万円 | 629万円 |
どちらの言語も30代で500万円、40代で600万円と年齢に比例して給与が高くなっていることがわかります。
より高い給与を目指すのであればC++の方がおすすめです。
4. 求人件数で比較
大手求人サイトの情報を元に求人数を比較してみましょう。(2022年5月時点)
C++ | Java | |
indeedの求人数 | 69,830件[indeedより] | 130,953件[indeedより] |
求人ボックスの求人数 | 1,113,669件[求人ボックスより] | 89,112件[求人ボックスより] |
dodaの求人数 | 3,195件[dodaより] | 10,040件[dodaより] |
マイナビ転職の求人数 | 108件[マイナビ転職より] | 3,418件[マイナビ転職より] |
リクナビNEXTの求人数 | 39,093件[リクナビNEXTより] | 3,418件[リクナビNEXTより] |
Greenの求人数 | 87件[Greenより] | 8,880件[Greenより] |
求人サイトによってかなりばらつきがありますが、多くの求人媒体で安定してJavaの求人が多いことから広い業界で一定の需要があることがわかります。
一方で、C++は特定の求人サイトでは圧倒的にJavaよりも求人数が多いです。
5. 難易度で比較
C++とJavaでは、Javaの方が難易度の低いプログラミング言語です。
C++を扱うためにはC言語の知識が不可欠であり、それに加えてC++独自の知識も覚える必要があるため実質2つの言語を習得する必要があります。
メモリ管理は、現役のエンジニアであってもC++を扱ったことがなければ知らない人も多い特殊な知識です。
必要となる知識が多いC++の習得は、Javaの習得より難しいことは間違いないでしょう。
6. 将来性で比較
JavaとC++であれば、Javaの方が将来性が高い言語です。
そこで両者の「日本での検索回数の推移」を比較してみると以下のようになります。(Googleトレンドより)
ご覧のように2004年から一貫してJavaの検索数がC++の検索数を上回っています。
実際に言語の特徴を見ても、Javaはあらゆるシステム開発に使用できますが、C++を使用できる領域は組み込み系システムが中心です。
C++・Javaがおすすめの人の特徴
C++とJavaはいずれも将来性のある言語ですが、人によって習得するべきなのかが異なります。
C++がおすすめの人の特徴
C++は組み込みシステムの開発をしたい方や継続して学習を続けられる方におすすめです。
というのもC++の学習ではC言語の知識やハードウェアの知識もある程度必要になり、初心者には難易度の高い言語だからです。
そのため以下の特徴に当てはまる方におすすめの言語です。
C++がおすすめの人の特徴
- IoTや組み込みシステムの開発をしたい方
- 辛抱強く学習を継続できる方
- 機械とシステムについての理解を深めたい方
- C言語の学習にも興味がある方
Javaがおすすめの人の特徴
Javaは大規模なシステム開発に興味がある方や安定して働きたい方におすすめです。
また、Javaは他の言語の元にもなっています。
どんな事をしたいか決まっていないけどプログラミングをしっかり学びたい場合にも適していて、Javaに慣れておけば他の言語を学習する際に学習時間を抑えられるでしょう。
そのため以下の特徴に当てはまる方におすすめの言語です。
Javaがおすすめの人の特徴
- 大規模なシステム開発に興味がある方
- 安定して働きたい方
- 汎用性の高い言語を学びたい方
- プログラミングを基礎から学びたい方
C++とJavaを勉強する時のおすすめの参考書
ここまでの説明で多くの方は「C++とJavaのどちらを勉強しようか」ある程度定まったことでしょう。
C++を勉強する時のおすすめの参考書
まずはC++を勉強する時のおすすめの参考書をご紹介します。
AmazonなどのECサイトで「C++」と検索すると「C言語」や「C#」の参考書が表示されることがありますので混合しないようにご注意ください。
Javaを勉強する時のおすすめの参考書
続いてはJavaを勉強する時のおすすめの参考書をご紹介します。
おすすめJavaのおすすめ参考書10選をレベル別でご紹介【選び方も解説】
Javaの本・参考書おすすめ10選をレベル別でご紹介【選び方も解説】
更新日:2024年7月27日
まとめ:C++とJavaはどっちがおすすめ?似てる?【違いや難易度を比較】
今回はプログラミング言語の中でも人気のあるC++とJavaの特徴や違い、向いている人の特徴について解説しました。
C++ | Java | |
ロゴ画像 | ||
概要 | コンピューターを効率的に動かすC言語に、オブジェクト指向を加えたプログラミング言語 | 1995年に公開された、コンパイラ言語型&オブジェクト指向言語 |
作れるもの | WindowsやLinuxなどのOS IoT機器のソフトウェア Webアプリ開発 ゲームソフト開発用のソフトウェア | Webアプリケーション デスクトップアプリ スマーフォンアプリ 組み込み系システム 大企業の基幹システム |
使用例 | Google Chrome・Windows等 | Twitter・Minecraft・基幹システム |
設計思想 | オブジェクト指向のプログラミング言語 | オブジェクト指向のプログラミング言語 |
汎用性 | 普通 | 高い |
年収 | 高い | 普通 |
求人数 | 多い | 非常に多い |
難易度 | 難しい | 易しい |
将来性 | 普通 | 高い |
おすすめの人の特徴 | IoTや組み込みシステムの開発をしたい方 辛抱強く学習を継続できる方 機械とシステムの理解を深めたい方 C言語の学習にも興味がある方 | 大規模なシステム開発に興味がある方 安定して働きたい方 汎用性の高い言語を学びたい方 プログラミングを基礎から学びたい方 |
おすすめの参考書 | 1週間でC++の基礎が学べる本 新・明解C++入門編 (明解シリーズ) C++の絵本 第2版 | スッキリわかるJava入門 第3版 プロになるJava Java本格入門 |
学習方法 | C++を学べるスクール | Javaを学べるスクール |
公式サイト | Standard C++ | Java | Oracle |
ご覧のようにどちらの言語も長所と短所があります。
またC++やJavaを新しく勉強したい方には、プログラミングスクールでプロから教わるのがオススメです。
プログラミング言語選びで答えがまとまらない場合は、プログラミングスクールの無料相談などを利用して有識者に相談するのもオススメです。
Javaが学べるプログラミングスクールおすすめ9選【無料の社会人向けスクールも】
更新日:2024年11月17日