今回はこんな悩みにお答えしていきます。
独立系SIerのホワイト企業への転職でキャリアアップしようと考えている方も少なくないはず。
そこで今回は独立系SIerのホワイト企業の特徴や独立系SIerのホワイト企業ランキング、独立系SIerのホワイト企業に就職・転職する方法などについて解説します。
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目次
独立系SIerのホワイト企業とは
独立系SIerとは、親会社やグループ会社を持たないSIerを指します。
SIerは独立系、メーカー系、ユーザー系の大きく3つに分類されます。
メーカー系とは、コンピューターなどのハードウェアを製造するメーカーがシステム開発の受託案件を行うようになってできた業態です。
ユーザー系は、銀行や大手商社、保険会社といったシステムを利用している大手企業のシステム部門が独立して、他社からのシステム開発案件などを請け負うようになってできた業態です。
親会社の方向性に縛られないため、クライアントの意向に寄り添ったシステム開発を行うことが可能です。
そのため、様々なシステム開発案件に携わることができ、キャリアアップにも向いていると言われています。
独立系SIerのホワイト企業の特徴
独立系SIerのホワイト企業の特徴は次の5つです。
独立系SIerのホワイト企業の特徴
- 元請・プライム案件の比率が多い
- 独自の強みを持っている
- 自社製品・サービスがある
- 平均年収が550万円以上
- 自由にキャリアプランを立てられる
それぞれ詳しく解説します。
特徴1. 元請・プライム案件の比率が多い
元請・プライム案件が多い独立系SIerはホワイト企業と言えます。
IT業界は建築業界と似て、多重下請けの構造を取っているため、下請けの下層で仕事を受注している企業で働くと、報酬は少ない上にスキルアップもしにくいです。
反対に元請やプライム案件を多く扱っている独立系SIerでは、プログラミングスキルだけでなく、システム開発の上流工程のスキルや下請けとの調整力などキャリアアップに役立つスキル・経験が積めます。
下請け企業を避けて、元請・プライム案件を多く受注しているSIerに就職するには、上場企業であれば取引先企業の情報を確認することや、業界事情に詳しい転職エージェントに相談する方法などがあります。
特徴2. 独自の強みを持っている
独自の強みを持っている独立系SIerもホワイト企業です。
現在、DX化の波やIT人材の供給不足などの背景から、IT企業の報酬水準は高く、SIerも乱立していますが、独自の強みを持たないSIerは価格勝負に陥りやすく、ブラック化しやすいです。
>> SIerはブラックが多い?叩かれすぎ?【ホワイトSIerの特徴も解説】
例えば、官公庁や金融といった大規模なシステム開発を行う業界の開発案件を得意としていることや、既存システムのクラウド化やAI技術など、特定の技術分野・業界に特化していることが挙げられます。
独自の強みを持っているSIerは、ホームページなどでその強みをPRしていることが多いので、事前にチェックしておくのがおすすめです。
特徴3. 自社製品・サービスがある
自社製品やサービスを持っており、収益モデルがSIerだけになっていない企業もホワイトなSIerです。
SIerはクライアントから開発案件を受託するクライアントワークになります。
そのため、クライアントが設定する納期や仕様を厳守する必要があり、SIerだけを収益モデルとしていると、労働環境が悪化していってしまいます。
もちろん自社製品やWebサービスで継続的に収益を上げるのは簡単なことではないので、どのような製品を扱っているのか、将来的に売れ行きが続きそうなのかしっかり見極めることが必要です。
特徴4. 平均年収が550万円以上
平均年収が550万円以上の独立系SIerもホワイト企業と判断してよいでしょう。
厚生労働省が運営している職業情報提供サイト「jobtag」によると、令和4年のシステムエンジニアの平均年収は550.2万円です。
ただ、国税庁が公表している「令和3年民間給与実態調査」によると、日本の平均年収は約443万円なので、そもそもシステムエンジニアの年収は高い傾向にあります。
そのため、高い年収に強いこだわりがなければ、他の条件を優先してもよいでしょう。
志望する企業の年収については、上場企業であれば有価証券報告書で確認ができますし、転職エージェントに登録し、求人情報を見ることで職種別の年収もチェック可能です。
特徴5. 自由にキャリアプランを立てられる
ホワイト企業であれば、社員の自立性やキャリアプランの形成に協力的です。
そのため、社内FA制度や社員からのプロジェクト公募、ジョブローテーションといった各社員が自分のキャリアプランを考えるための制度が充実しています。
このような制度が充実しているかどうかについては、企業の採用ページを確認することや転職エージェントとの面談の中で質問することで確認可能です。
おすすめIT業界・エンジニアに強い転職エージェントおすすめ15選を解説
独立系SIerのホワイト企業ランキング
本章では独立系SIerのホワイト企業度合いをランキング形式で紹介します。
ホワイト企業度合いについては、先ほど紹介したホワイト企業の特徴をベースにランク付けを行っています。
独立系SIerのホワイト企業ランキングは次の通りです。
順位 | 企業名 | 平均年収 | 平均勤続年数 |
1位 | 株式会社大塚商会 | 8,567,945円 | 17.5年 |
2位 | 株式会社オービック | 9,596,000円 | 13.2年 |
3位 | BIPLOGY株式会社 (旧:日本ユニシス株式会社) | 8,163,349円 | 20.9年 |
4位 | TIS株式会社 (旧:ITホールディングス) | 7,872,000円 | 20.4年 |
5位 | トランスコスモス株式会社 | 4,891,917円 | 9.3年 |
(各社有価証券報告書を基に作成)
ここから各社について詳しく解説していきます。
1位. 大塚商会
大塚商会の平均年収は856万円と、550万円を大きく上回っています。
大塚商会の資本金は約103億円ですが、国税庁の「令和3年民間給与実態統計調査」によると、資本金10億円以上の企業における平均年収は約615万円のため、同規模の企業の中でも年収が高いです。
業務内容も、求人情報を確認すると、上流工程メインでプロジェクトにアサインし、開発以降は下請けベンダーに依頼しているとの文言が付されています。
評価制度も充実しており、社内試験や仕事における目標設定とフィードバック、保有資格に対する評価など、従業員のモチベーションを高く保つための取り組みも豊富です。
また、SIer以外にもオフィス用品や生活雑貨など幅広い商品を取りそろえた通販サービス「たのめーる」なども展開しています。
知名度・実績ともに抜群の大塚商会は、独立系SIerのホワイト企業を代表する企業と言えます。
2位. オービック
オービックの平均年収は約959万円です。
今回紹介する企業の中で最も高く、1,000万円近い年収を得られるのが大きなメリットです。
オービックの資本金は約191億円で、同規模(資本金10億円以上)の企業における平均年収と比較しても約1.5倍と、高年収であることがうかがえます。
事業内容もSIerだけでなく、PC・通信機器やオフィス家具の販売、内装工事といった自社サービスも構えており、収益モデルも複数持っていることから、独立系SIerのホワイト企業といえます。
3位. BIPLOGY株式会社(旧:日本ユニシス株式会社)
BIPLOGY株式会社(旧:日本ユニシス株式会社)の年収は約816万円です。
同社の資本金は約54億円のため、こちらも同規模の企業と比較して年収が高水準です。
求人情報を見てみると、入社後に大手製造業等の顧客を担当することや課題抽出・システム化計画立案を主な業務として請負うことから、元請としてアサインする案件を多く有していることがうかがえます。
働きやすいホワイト企業であることの証左として、従業員の平均勤続年数も20.9年と長期間にわたって社員が在籍しています。
またSIer事業だけでなく、自社サービスとして業務効率化システム等の販売事業も行っています。
4位. TIS株式会社(旧:ITホールディングス)
TIS株式会社(旧:ITホールディングス)の平均年収は約787万円です。
資本金は100億円で、同規模(資本金10億円以上)の企業における平均年収よりも高い年収であることがわかります。
求人情報によると、独自の研修制度を整えており、社員のスキルレベルや担当職務に合わせて、適切なスキルアップが図れるように設計されています。
研修制度はe-ラーニングも用意されているため、在宅勤務中の自宅学習などが可能です。
事業内容もSIerだけでなく、ITコンサルティングやデータセンターのアウトソーシングサービスなど、IT関連業務を幅広く請け負っているため、SIerだけに頼らない収益モデルを確立しています。
これらのことからホワイト企業といえるでしょう。
5位. トランスコスモス
トランスコスモスの平均年収は有価証券報告書によると約489万円と、他のランキング企業よりも低く見えます。
しかし、求人情報を見てみると、SIer事業のエンジニアは600万円前後の年収が期待できることがわかります。
さらに、データサイエンティストなど、より特化したスキルを持っている場合は年収1,000万円も狙うことが可能です。
また、自社製品としてメールマーケティングシステムなどのソフトウェア販売も行っており、SIerのみで事業展開をしていない点もポイントです。
独立系SIerのホワイト企業で活躍するために必要なスキル
ここからは、独立系SIerのホワイト企業に就職後、活躍するために必要なスキルを紹介します。
どのスキルもシステム開発の上流工程を担うために必要なスキルであるため、現職又は就職活動中にしっかりと磨いておきましょう。
必要なスキルは大きく次の3つです。
独立系SIerのホワイト企業で活躍するために必要なスキル
- プロジェクトマネジメントスキル
- ドキュメント作成スキル
- コミュニケーション能力
それぞれ詳しく解説します。
1. プロジェクトマネジメントスキル
独立系SIerのホワイト企業では、元請・プライム案件を扱うため、下請けのITベンダー企業への作業依頼や自社で行う作業の割り振りといった、プロジェクト全体を見渡すマネジメントスキルが必要です。
SIerがシステム開発を行う場合、「ウォーターフォール開発」と呼ばれる開発手法を選択することが多いです。
これは、要件定義からシステム開発・テスト、納品までの流れを順番に行っていくもので、水が上流から下流へ流れるさまに喩えて呼ばれています。
ウォーターフォール開発では、要件定義で決定した内容を基に全ての開発が進んでいくため、途中で仕様変更や要件定義の内容に誤りがあるなどした場合に、大きな作業遅延と追加工数が発生してしまいます。
SIerのホワイト企業では、大規模な開発案件に携わることも多く、高いスキルが求められます。
これが高いハードルになり、「独立系SIerはやめとけ」と呼ばれるデメリットとされています。
反対にしっかりとスキルを身につければ、大きな案件を任せてもらい、バリバリ活躍することが可能です。
2. ドキュメント作成スキル
独立系ホワイトSIerでは、ドキュメント作成スキルも欠かせません。
元請・プライム案件に携わる機会が多いため、下請けのITベンダーに対して仕様書を提示したり、クライアントに対してRFP(見積もり提案書)を作成したりといった、ドキュメント作成の機会が増えます。
そのため、プログラミングスキルはもちろんですが、わかりやすい資料作成のためのスキルもしっかり磨いておくようにしましょう。
3. コミュニケーション能力
独立系ホワイトSIerで活躍するために、コミュニケーション能力も必須です。
コミュニケーション能力については、今はどの企業においても重視されているため、独立系SIerに限った話ではありません。
独立系SIerにおいては、元請・プライム案件を多く扱うため、クライアントとの窓口として要件定義や納期・仕様についての打ち合わせといった場面でコミュニケーション能力が求められます。
特に独立系SIerでは、下請けのITベンダーが中小企業になることもあるため、直接下請けの社長とやり取りする場合もあり、相手との関係が悪化しないよう調整能力も求められます。
このように、独立系SIerで成果を上げるためには、コミュニケーション能力もしっかりと身につけておきましょう。
独立系SIerのホワイト企業に就職・転職する方法
独立系SIerのホワイト企業に就職または転職するために必要な方法を紹介します。
押さえておくべきポイントは次の3点です。
独立系SIerのホワイト企業に就職・転職する方法
- 企業や業界の研究を行う
- 書類選考対策や面接練習を徹底する
- 独立系SIerに強いITエージェントを利用する
それぞれ詳しく解説します。
方法1. 企業や業界の研究を行う
就職活動や転職活動を行う上で、企業や業界動向の研究をしておくことは必須です。
志望する企業がどのような事業に力を入れていて、そのためにどのような人材を求めているのか、その背景にはどんな業界動向があるのか、しっかり調べるようにしましょう。
他にも、可能であれば志望する企業が上場企業の場合、決算資料などに今後の中長期目標が記載されていますので、それらを読み込むことで、今後の企業の方針をつかむことができます。
このような地道な作業で集めた情報は、面接に話す材料にもなるので、大変ですがしっかり行っておきましょう。
方法2. 書類選考対策や面接練習を徹底する
こちらも就職または転職活動を行う上で必須ですが、書類選考や面接対策をしっかりと行い、試験に勝ち残るための準備をしておきましょう。
特に面接では当日何を聞かれるかわからないため、様々な想定質問を用意しておく必要があります。
色々な人に面接官役を担ってもらい、受けた印象や回答内容についてフィードバックをもらうことで、幅広い面接官に好印象を与えることができます。
書類選考においても、過去の試験問題について可能な範囲で情報を集め、類似問題を解いて対策を取るようにしましょう。
方法3. 独立系SIerに強いITエージェントを利用する
独立系SIerに強いIT業界に特化したエージェントを活用しましょう。
ここまで紹介してきた業界研究や面接対策といった2つのポイントを、今の仕事を続けながら全て1人で賄うのははっきり言って難しいです。
そこで、業界事情に詳しい転職エージェントに相談をすることで、詳しい内部情報が得られますし、面接対策もプロの視点からフィードバックが受けられます。
次の章からおすすめの就職・転職エージェントを紹介しますので、自分に合っていると思うものがあれば、まずは1つでも登録をしてみてください。
おすすめIT業界・エンジニアに強い転職エージェントおすすめ15選を解説
IT業界・エンジニアに強い転職エージェントおすすめ15選を解説
更新日:2024年7月30日
【新卒】独立系SIerのホワイト企業に強い就職エージェント
まずは新卒の就職活動におすすめの就職エージェントを紹介します。
今回紹介する独立系SIerに強いITエージェントはレバテックルーキーです。
独立系SIerのホワイト企業に強い就職エージェント①レバテックルーキー
レバテックルーキーは、IT業界大手のレバテックが運営する新卒向けの就職エージェントです。
ITエンジニア専門として特化した就活支援を行っているため、進路をITエンジニアに絞っている方は活用必須のサービスです。
大手の就活サイトでは、大手志向の就活生向けにページを作成しているため、IT業界に多い優良ベンチャー企業の情報が見つけにくくなっています。
もちろん大手企業の求人も扱っており、非公開求人も多数。
また、就活支援サービスとしてプロのエージェントとマンツーマンでの面接指導やES添削も受けられます。
既にエンジニアとして実績がある方はポートフォリオ作成サポートも手厚く行ってもらえます。
将来は独立系SIerでエンジニアとして活躍したいと、強く思っている就活生はレバテックルーキーに登録してみてください。
レバテックルーキーの評判・口コミは最悪?【料金や注意点もご紹介】
更新日:2024年7月30日
【中途】独立系SIerのホワイト企業に強い転職エージェント
次に中途採用の方におすすめの独立系SIerに強い転職エージェントを紹介します。
ホワイトな独立系SIerに転職したい方にオススメのエージェントは次の3つです。
独立系SIerのホワイト企業に強い転職エージェント①レバテックキャリア
レバテックキャリアは、先ほど紹介したレバテックルーキーも運営するレバテックが行っている転職エージェントです。
IT・Web系のエンジニアに特化したエージェントのため、業界と職種の2つの観点でターゲットを絞ることで、より特化した転職支援を可能にしています。
レバテックキャリアは、「ITエンジニアが利用したい転職エージェントNo.1」に選ばれるほど、優秀なサービスで、中でもアドバイザーの質が高いことで有名です。
そのため、初回面談で紹介する求人の内定率は9割と非常に高いです。
転職後のアドバイザーへの感想も「業界知識が豊富」・「一人では得られない情報が得られた」と好意的な感想が90%を越えており、高い信頼感を得ていることがわかります。
現場の実情を踏まえた、的確な転職サポートを受けたい方はレバテックキャリアの活用がおすすめです。
独立系SIerのホワイト企業に強い転職エージェント②リクルートエージェント
リクルートエージェントは、人材サービスで最大手のリクルートが運営する転職エージェントです。
IT業界に特化していませんが、取り扱っている案件の数は78万件と非常に多く、独立系SIerのホワイト企業に関する求人案件も多数取り揃えています。
ただし、扱っている求人の数が非常に多いため、自分で膨大な案件の中から独立系SIerの求人を探して企業研究をするよりも、まずはエージェントと面談をして自分の目指す方向性を伝えて案件を探してもらう方が効率的です。
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独立系SIerのホワイト企業に強い転職エージェント③dodaエンジニアIT
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おすすめIT業界・エンジニアに強い転職エージェントおすすめ15選を解説
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更新日:2024年7月30日
まとめ:独立系SIerのホワイト企業とは?【ランキングや就職方法を解説】
今回は独立系SIerのホワイト企業の特徴や独立系SIerのホワイト企業ランキング、独立系SIerのホワイト企業に就職・転職する方法などについて解説しました。
改めて独立系SIerのホワイト企業の特徴を確認しておきましょう。
独立系SIerのホワイト企業の特徴
- 元請・プライム案件の比率が多い
- 独自の強みを持っている
- 自社製品・サービスがある
- 平均年収が550万円以上
- 自由にキャリアプランを立てられる
また独立系SIerのホワイト企業に就職・転職する方法は以下の通り。
独立系SIerのホワイト企業に就職・転職する方法
- 企業や業界の研究を行う
- 書類選考対策や面接練習を徹底する
- 独立系SIerに強いITエージェントを利用する
SIerや他の企業との比較について更に詳しく知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。
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更新日:2024年7月30日